秋華神社

2020年5月14日【木】09時50分17秒

最近、テレビに引っ張りだこの大阪府知事の吉村氏ですが、次期総理にもという声まであがっています。
確かに対応の遅い政府にはイライラしますし、その中で決断する吉村氏が格好良く見えるのは当然かもしれません。

しかしよく考えてください。
政治は決断ではなく結果ですよ。
もちろん決断力がないと良い結果は生まれないかもしれませんが、決断によって結果が悪ければ評価できないのです。

私は吉村氏が駄目だったと思うのは、緊急事態宣言の出口を示さない政府に対して、それを批判する流れで大阪基準を示してしまった事です。
そしてその基準が、新型コロナウイルスCOVID-19の『収束』を目指したものではなく、『共存』を決めたものだった事です。

政府の方針を見ればわかりますが、基本的には『収束』を目指していたのです。
つまり政府とは違う方針を示してしまった事で、政府もそちらに動かざるを得なくなってしまったのです。
『共存』目的なら、医療崩壊が防げたと判断すれば、そのまま緊急事態宣言は解除できました。
しかし緊急事態宣言を解除しなかったという事は、やはり『収束』なのです。
もしもこのまま『共存』に舵を切れば、１ヶ月以上を無駄にする事になるのです。

どちらにしてもそうなる可能性はありましたよ。
しかしたかだが１週間２週間の為に、或いは何のメリットも無く収束の目を無くしてしまうのは愚策です。

まあそもそも、動きは収束を目指していますが、新コロ後の生活様式と言っている時点で、両天秤ではあります。
収束させてしまえるのなら、一旦目指してみるかといった程度の方針です。
だから成功する可能性は、収束を最初から目指しているよりは可能性が低いです。
でも今回の吉村府知事の行動によって、一応共存を目指すけれど、収束も諦めていないという、更に中途半端な対応になるのです。
国民の生活も改善されず、ウイルスの収束も可能性薄の最悪手に流れてしまったのです。

様子を見ながら決める場合はある程度収束が見込める所まで減らして、後は通常の生活に戻すわけです。
もちろん国民は各自対応はするでしょうが、ある程度元の生活に戻るのです。
しかしこのままだと、多少の自粛を『強制』されたまま、元の生活にゆっくり戻っていくか、或いは似た生活に変るのです。
実に中途半端な状況となるでしょう。

別に政府を擁護するつもりはありませんが、一応専門家は専門家の視点ではありますが最良手を考えているのです。
私の考えとは違いますが、それでも選択肢の一つとしてはまだマシな手です。
それを壊してしまったのが吉村府知事であると私は思っています。

まあ結果はどうなるのかはわかりません。
これにも負けず政府はなんとか引き延ばせるだけ引き延ばして収束を目指すとは思います。
仮にそれが無理でも、国民の頑張りで収束させてしまう可能性もあります。
だからまだ希望を捨てるのは早いですが、ただ、『余計な事をしたな』というのが私の感想です。