昨日、毎日新聞の記事が結構騒がれておりました。
夫婦別姓認めぬ民法 「合憲」4裁判官、罷免要求突出 国民審査
簡単に言うと、『東京都内の開票結果によると、今の夫婦同姓の法律を合憲とした裁判官への罷免を求める票が突出して多かった』という話です。
まず最初に言っておきますと、選択的夫婦別姓のアンケートというのは既にあって、賛成が反対よりも少し多いです。
ただし、どちらかと言うと今のままで良いという人が結構いて、一概に賛成が多いとも言えないという状況です。
で、この記事ですが、そう考えると十分あり得る話ではあります。
しかしまってください。
この記事は本当に正しいのでしょうか。
その数時間後に同じ毎日新聞が新たな記事を出しました。
最高裁国民審査、対象の全11裁判官信任 開票結果
先ほどの記事は東京都内だけですが、今回は全国の最終結果です。
以下引用します。
◇開票結果一覧
氏 名(出 身)…罷免を求める票(罷免率=%)
深山 卓也(裁判官)…4,490,554(7.85)
岡 正晶(弁護士)…3,570,697(6.24)
宇賀 克也(学 者)…3,936,444(6.88)
堺 徹(検察官)…3,565,907(6.23)
林 道晴(裁判官)…4,415,123(7.72)
岡村 和美(行政官)…4,169,205(7.29)
三浦 守(検察官)…3,838,385(6.71)
草野 耕一(弁護士)…3,846,600(6.72)
渡辺恵理子(弁護士)…3,495,810(6.11)
安浪 亮介(裁判官)…3,411,965(5.96)
長嶺 安政(行政官)…4,157,731(7.27)
※引用ここまで
というわけです。
こちらを見ても確かに言われる通り、数字が高いのは、深山氏、林氏、岡村氏、長嶺氏ですね。
一見先ほどの記事通りに見えます。
しかしその4人の罷免要求票が伸びる要因はそれだけでしょうか。
逆を見れば、岡氏、堺氏、渡辺氏、安浪氏の票が少ないですね。
実はネットではこんな活動が展開されていました。
選択的夫婦別姓に賛成する人がSNSで4人の罷免要求活動をしていたのと同時に、逆の立場の人も6人の罷免要求活動をしていたのです。
そしてその中で3名が重なっています。
つまり、その3名が突出するのはおかしな話ではありません。
ただここで問題なのが深山氏が何故か多い事です。
しかも罷免要求トップですね。
でもこれにも理由があるんです。
そもそもこの投票をした場合、最初にある名前に×を付ける人が多く、毎回罷免要求が多く出る傾向にあるんです。
そう考えると、この結果というのは普通にあっておかしくない結果というわけなんですね。
つまりこの結果を持って選択的夫婦別姓に賛成している人の方が多いと考えるのは間違いという事です。
まあとは言え、積極的な賛成と反対を比べれば、賛成の方がやや多い事は確かです。
ただ、その間の方が圧倒的に多いわけですがね。
こういうミスリードを誘うような記事というのは多々あります。
騙されるというとアレですが、勘違いしないように気を付けたいですね。