神社へ参拝するのは、神様へ挨拶し、神様とお話をする為です。
しかし神社には他にも色々なものがありますので、見て廻るのも神社参拝の楽しみの一つになります。
宮司と話をしたりして、神社の歴史を学ぶのも面白いですよ。
本や教科書には書かれていない面白い話が聞けるかもしれません。
今回はそんな、参拝とは違う別の楽しみ方について書こうと思います。
神社につくとまず目につくのは
鳥居ですね。
その鳥居を見る事で、この神社がどういう神社か想像する事ができます。
例えば鳥居の形や色から、
祭神を想像する事ができます。
朱色の鳥居はお稲荷さんが多いですよね。
ですが最近は結構朱色の鳥居が多く使われている事があります。
朱色は魔除けの色ですが、これは『仏教』の影響を強く受けている神社という事です。
神仏習合で昔は神社も仏閣も同じに扱われていた時代がありました。
その名残を強く残している神社と言えるでしょう。
鳥居についている
神額を見ても分かります。
神様の名前に対して『大明神』と書かれている場合、これは強く仏教の影響が残った神社と判断できるでしょう。
さて
拝殿までくれば、今度は
狛犬が置かれています。
狛犬は元々は両方獅子の像でしたが、中国から日本に伝わり狛犬に変りました。
そして阿像と吽像に分かれています。
これもおそらく仏教の影響かと思われますね。
阿吽の呼吸で神様を守る守護獣となったのです。
向かって右側の阿像は獅子のままで、口を開けています。
一方左側は口を閉じた吽像で、そちらは狛犬となります。
違いとしては、狛犬の方がやや雌を意識した感じになっており、角が生えていると言った感じでしょうか。
最近では狛犬は子を伴った像が多く見られます。
阿像の獅子は玉を持ったものが結構見られますね。
分かりますね?
獅子を雄とし、狛犬を雌とするような印象があるのです。
時代の流れと共に、狛犬の角は徐々に短くなってきたようで、最近ではないモノも珍しくありません。
その辺りでもしかしたらその狛犬が何時頃作られたものか、分かるかもしれませんね。
ちなみに稲荷神社では狛犬の代わりに眷属である
白狐が置かれています。
こちらも阿吽になっていたりしますが、大抵は右側は玉を咥え、左側が巻物を咥えたものになります。
最近はこれが基本のようですが、一概には言えません。
そして結構檻に入れられたり、神社が朱色の柵で囲まれたりしています。
これは、外部からの魔除けの意味もありますが、白狐が逃げ出して外で悪さをしないようにしてあるように思います。
狛犬は守護獣ですが、白狐はただの遣いです。
悪さもするのです。
朱色の柵での魔除けは上記した通り仏教の影響が強く、宝珠なんかも置かれていますね。
それが神紋にも影響を及ぼしています。
神社の拝殿には大抵
御幕が掛けられています。
その御幕には大抵
神紋が描かれていますね。
菊紋は皇族を表し、桐紋は政府を表します。
三つ巴紋は災害除けの紋章となっています。
稲荷神社の神紋は、主に宝珠を意識した紋章になっています。
宝珠紋そのものもありますが、稲を描いた紋も形が宝珠に近くなっていたりします。
神道系からの神社というよりは、仏教系からできた神社と言えるのではないでしょうか。
参拝までにこれだけ色々と思いを巡らせる事ができます。
知識があると、結構神社って楽しいのです。
参拝を済ませた後も、境内を廻れば色々と考えさせられるものが見つかります。
例えば
摂社や
末社にどんな神様が祀られているのか、見ると面白いかもしれません。
どうしてこの神様がここに一緒に祀られているのか、関連はどうなのか、掲示してある神社もあります。
戦争の際に神社が焼かれ移動し、また戻って行った話とか、歴史を知るとその土地がまた違って見えます。
楠木正成が祀られている
相殿を見つけた時はテンションが上がりましたね。
一緒に徳川家康とか祀られていて、歴史上の功績が大きな人が集められているようで面白かったです。
他にも色々な記念の石碑が置かれたりしています。
神社に置かれるくらいですから、おそらくその出来事が日本にとってとても大きな事だったと想像できます。
大東亜戦争(第二次世界大戦)に関するものはやはり多いですね。
多くの戦死者を出したわけですし、御霊の平安を祈るものが多くあります。
日露戦争の勝利を祝うものも数が多く見られます。
これは、この勝利が日本にとってどれだけ重要だったのか簡単に想像させてくれます。
日本が救われた、歴史の大きな分岐点だったのでしょう。
この戦争で負けていたら、大東亜戦争に負けた以上に、日本は辛い状況に置かれていた事でしょう。
今日本が存在していなかったかもしれません。
神社に行くと、それがひしひしと伝わってきたりします。
他にも神社には、その神社独特の楽しみが有ったりします。
例えば吉川八幡神社には、御神馬様がおられます。
事前に連絡をしておけば、会わせてもらったり触れ合う事もできるかもしれません。
ツイッターアカウントがありますので、そちらでしっかり確認してから参拝してください。
日本三大祭りの大阪天満宮では、菅原道真公の話を見る事もできます。
こちらは昼間はおそらくいつでも見る事ができますので、時間があれば見てみてください。
ちなみに私は写真を撮って何処かにアップしておりますが、写真ではなく実物で見る事をオススメします。
人形が置かれた20シーンくらいでしたかね。
ちょっと忘れましたが、拝殿向かって左側、鬼瓦の置かれた辺りが出口となっています。
大阪天満宮には
講が残っていたり、『お焚き上げ』ではなく『焼納』と言う所からも、やや仏教色が強く残っている事が分かったりしますね。
登龍門が有ったりで支那の影響も強く、どういう歴史をたどってきたのかも気になります。
このように神社には、参拝以外にも見るべきものや楽しみ方が色々あります。
是非自分で楽しみ方を見つけていただければと思います。