秋華神社

2020年1月16日【木】14時18分36秒

これは前回の記事の続き的な記事となります。
まずはそちらを読む事をオススメします。

簡単に説明しますと、もしも仮想通貨などで世界共通通貨ができると、今のＥＵを見て想像すれば分かる通り、貿易赤字国（経常収支赤字国）はドンドン破綻する世界になってしまうと思われます。
今のＥＵは、ＥＵ自体が黒字でしょうし、ドイツ銀行などが手を差し伸べた事によってなんとか救われている状態です。
これが世界規模になったらどうなるかという話です。
多くの国が赤字国となり、借金が返せず破綻するわけです。

しかし当然破綻すれば多くの国が被害を被るわけで、なんとしてもそれを阻止しようとするでしょう。
そこで方法は３つです。
金のある国が助けるか、みんなで助けるか、金を発行して助けるかです。
最終的には金を発行する事になるとは思いますが、コントロールできなければ他の方法になりますね。
ただいずれにしても損をするのは金を持っている国で、そんな中でやっていくのは嫌になるでしょう。
そこでやはり自国通貨を中心とした経済圏に戻らざるを得ないと私は考えるわけです。
或いは世界が変れば混乱が目に見えているので、そうならないように阻止するかですね。

今の形というのは、何気に上手くバランスがとれています。
為替レートが変動相場制で決まるわけで、そこで上手く調整されているから色々な国が世界と貿易できるわけです。
それがなくなれば、当然破綻する所は増えるわけです。
ＥＵがもしも完全鎖国し、ＥＵ内だけで取引していたらどうなるでしょうか。
おそらく破綻国が続出していたでしょう。

さて現状、だったら今大きな貿易赤字（経常収支赤字）をだしているアメリカはどうなるのかと考えたわけです。
現在は基軸通貨が米ドルですから、アメリカは世界経済の為に通貨を生産性向上に合わせて発行しなければならない立場にあります。
だから貿易赤字（経常収支赤字）でも米ドルの価値は下がりませんし、発行してばら撒いた分の富を独占できる状態です。
アメリカが何故１国で世界の軍事力を上回る軍事力を持てるかと言えば、そういう事です。
そのアメリカがどういう理由にせよ基軸通貨の地位を失ったらどうなるでしょうか。
米ドルの価値は下がり、貿易赤字（経常収支赤字）を垂れ流す事もできなくなります。
ちなみに基軸通貨を失うだけなら貿易赤字（経常収支赤字）はあっても為替レートによって調整されますから、あくまで垂れ流しができなくなるだけです。

今までばら撒いていた金が一気に巻き戻しを始め、ハッキリ言ってアメリカは破綻するのではないでしょうか。
徐々に基軸通貨が移行するにしても、アメリカは今までのような富を享受できる国ではなくなるのです。
相当苦しい立場に立たされるでしょう。

そしたら当然、アメリカ国債を一番持っている日本もダメージが大きいです。
世界中の米ドルを持っている国々もヤバいです。
世界大恐慌が待ち受けている可能性があります。

正直、いずれ訪れる事ですから、今から少しずつ準備していく方が良い気がしますね。
日本に限って言えば、米国債を手放していくのが良いかと思います。

そしてアメリカは、当然貿易赤字（経常収支赤字）を減らしていく事が必要になるでしょう。
ただ、世界経済が成長している間は、基軸通貨さえ守れれば、今のままでもいられます。
でもこれも、いずれは経済の伸びも緩やかになるので、米ドル発行も緩やかにせざるを得ません。
難しい調整が必要になりますが、アメリカはゆっくりと米ドル発行を減らしつつ、代わりのものに置き換える作業が必要かと思います。

そう考えると、今のトランプがアメリカの貿易赤字を解消しようとしているのは、意外と正しい判断なのではと思えてきます。
もう米ドルのばらまきは止めて、基軸通貨から緩やかに撤退していると考えれば、アメリカの破綻を防ごうとしているとも見えるわけです。

とにかく、急に変えたらアメリカは破綻する可能性があるでしょう。
米ドルが価値を大きく落とします。
さて、それを防ぎ、世界が上手く調整しながら落ち着く所に落ち着くにはどうしたらいいでしょうか。
アメリカに、ゆっくりと基軸通貨の地位を降りてもらい、それに代わる世界の取引システムを確立する事です。
なんとか調整してほしいですね。
でなければ、その時日本も世界もかなりヤバいですよ。

※※追記※※

国全体の収支は貿易だけではありません。
投資によって労働力に支払われるお金もありますから、貿易赤字にカッコ付けで（経常収支赤字）としました。