『不安定な政治的情熱によって動揺する世界にあって、日本はそれとは無縁の孤立した島だ。』
日本の参院選、有権者は「安全と安定」を選択
先日の選挙で、私は『現状維持を選んだ』という風に書いたが、これは決して日本が他とは違う世界の中にあることを意味していない。
むしろ日本は真っ先に世界のおかしさに気づき、それに飲み込まれないように既に必死なのだ。
動揺する世界とは、おかしな方向に進んでいる世界に気が付き慌てて方向転換を図ろうとしている状態である。
世界は旅をしているようなものである。
その先がどんな世界かは分からない。
ただ何となく、各国似たような方向に進んでいると安心できるし、同じ道を選んでいた。
しかし日本は早くに気が付いた。
この先の景色は怪しい気がする!
引き返して別の道を探そうと。
他の国はそのまま進んだ。
そしたら日本が思っていた通りの怪しい景色に変わっていった。
それに慌てて大きな動きを見せたのが、イギリスのEU離脱である。
日本はただ、今は道を少し引き返しているに過ぎない。
ただそれを続けるという結果を選んだのが選挙結果だ。
イギリスはおかしな景色に気が付いたが、来た道も分からなくなって引き返すにも同じ道はもうない状態だ。
だから動揺が大きくなっている。
おかしな世界というのは、経済的なものと、人の価値観や考え方によるものがある。
経済的なものという意味では、このリンク先の記事は結構面白い事を言っている。
日本の大企業のトップの給料が低いという話だ。
これにより金持ちに対する批判の持って行き場がないという。
それが野党の批判へと向かったかどうかは分からないけれど、少なくとも日本という国はそういう国なんだよね。
権力者が富を得るというのは恥だという文化がある。
金儲けが悪だという考えだ。
そういう意味では国際競争が下手な民族ではあるけれど、こういう時にはあまり騒がない。
全世界が進もうとしていたのは、経済競争バリバリの世界である。
世界が富の奪い合いで勝利を目指している中、日本人は騒がずそっ閉じしたのである。
そして日本人は日本人の力だけで負けない戦いをしようと既に決意していたのだ。
※経団連は違うし、外国から日本も巻き込もうとする圧力はある。
移民に関してはリンク先の記事の通りではあるけれど、日本は移民に対しては昔から苦しんでいる。
情報が表にでないようにして、後は金で抑え込んできたけれど、インターネットの普及で移民に対するストレスがいち早く表に出てきていた。
しかもリンク先の記事にもあるように、「彼らは移民に責任を押しつけられない」日本人はそういう民族なのだ。
他国の人は単なる労働力とか、そういう目で移民を見る事ができる。
しかし日本人にとっては、同じ日本で暮らす仲間でなければならないと考えるのだ。
別の場所でも書いたけれど、日本人は帝国主義世界の中で、唯一帝国主義ができなかった国だ。
植民地支配をして、利益を吸い上げる事ができなかった。
日本人は、全ての人を同じ人としか見られないのだ。
だから植民地ではなく、併合という形を取らざるを得なかった。
同じ日本人として扱ったのだ。
数は少ないとはいえ、既に移民と言える外国人が長く日本に住んでいる。
その中でずっとある問題が、お互いにとって良いものではない事を既に分かっていた。
だから移民は受け入れてこなかったのだ。
早くから気が付いていた結果である。
ただ、世界が人間シャッフルをする流れにあるのなら、日本もいずれそれに巻き込まれる事になるかもしれない。
それまでに、移民受け入れのルールをもっとしっかり決めておくべきだ。
まず日本語が喋れる事、日本の国体を知ってそれを受け入れる事、宗教は法律や規律の次で有る事、義務教育レベルの常識はある事、日本を愛し日本の為に働く事。
しかしどうして日本が人口を増やす必要があるのかは疑問だ。
8000万人くらいまで人口が減っても良いと思う。
どう考えてキャパをオーバーしているよね。
食料自給率も低いし、そんなに人が住める場所でもなければ、災害も多くて人が住むに適していない。
人が増えれば被害も増えるのだ。
国防や経済競争という意味で理由はいくつも考えられるが、なんとかなると私は思っている。
まあなんにしても、日本が動揺の外だというのは違う。
真っ先に気が付いて、今は単純に引き返そうとしているだけなのだ。
イギリスも引き返す事を決断した。
アメリカでもそのような声が上がっている。
そんな中で、更にこのまま進むべきか、一度立ち止まってみるべきか、一緒に戻るかを悩んでいる国々が動揺しているに過ぎない。
私は、今の世界は行き過ぎたので一度引き返すべきだと思う。
何故なら、人間の感情や気持ちは綺麗事だけでは押さえつけられず、無理に押し通すとお互いが嫌な思いをするから。
じっくり時間をかけて進まなければならない道だ。
3歩進んで2歩下がるの繰り返しが大切である。
自由と規制の繰り返しの中で、世界を進めていかなければならない。
進む先は、真っすぐな道だけではない。
それにしても、考えている人ってのは同じ事を思っているんだよね。
ただそれが言い出しにくかったりして、引き返すのが遅れる。
世界はこの波の中で成長していくべきだと思うけれど、バカは一直線に進む事が正しいと思ってしまう。
そこで争いが起こるんだろうな。
それが分かっているから言い出せない空気が出来上がっているわけで。
小さな争いのうちに引き返す勇気が必要なのかなって思うね。