秋華神社

2016年5月31日【火】12時48分57秒

憲法９条が有れば国は守れると思っている人でも、自衛隊の存在意義まで否定する人は少ない。
街に警察が必要なように、世界にも治安維持の為の軍隊は必要だ。
この辺りまでは概ね共有できている考え方だと思う。
しかしそこまででいいという考え方と、もっとしっかりやるべきだという考え方とには分かれる。
それは何故か。
人の考えは人それぞれだと言ってしまえばそれまでだが、簡単に結論を出してしまっては話が続かない。
だからもう少し考えてみる事にした。

現在の世界の安定は、江戸時代に似ているよね。
沢山の国があって、それを幕府がまとめる。
今はアメリカ幕府の世界って感じだ。
平和を愛する人は、いずれそれを明治維新で変えようと思っているのだろうか。
国連政府をつくって、それで世界を一つにしたいのだろうか。
明治維新では血を流したけれど、今度は維新を話し合いでできると考えているのだろうか。
日本に住むのは日本人だけだったので、ある程度価値観は共有されていたし、信頼を築くこともできたけれど、世界でそれが可能なのかは難しい。

『世界平和は話し合いで』
そんなことを言う人がいる。
しかし価値観は違うし信頼関係もないのにいきなりは無理だ。
それらを得るには情報と時間が必要である。
今から話し合うのは良いとしても、戦争せずに話し合えるだけの時間は稼ぐ必要がある。
価値観を共有する為に必要なコミュニケーションツールはある。
信頼関係を築く為の時間も作るものとしよう。
ただそれらが揃ったとはいえ、ようやくスタートラインにたったに過ぎず、いきなり完成を目指しても難しいものだ。

我々は世界平和という料理を作ろうとしている。
今はようやく食材が揃った所だ。
世界平和を訴え、憲法９条があれば大丈夫だと言っている人は、食材が揃っているのを見て『もう料理が完成している』と言っているようなものだ。
ジャガイモの皮もむいていないし、肉はまだ牛のまま。
調理道具もそろえていく必要があるし、料理には時間もかかる。
まずは道具である人材をそろえ、正しく調理する為の価値観を共有し、時間をかけてじっくり煮込んで信頼関係を得て、ようやく美味しい料理である平和世界が完成する。

つまり平和を求める人は、世界江戸幕府を見て『話し合いですぐにでも世界明治維新は終わる』と言ってるようなものではないだろうか。

牛やジャガイモをそのまま鍋に入れて煮込んで、どんな美味しい料理ができるのだろうか。
牛が途中で暴れ出すかもしれない。
ジャガイモの芽を食べて死ぬかもしれない。
じっくりしっかりと順を追って料理する必要があるのだ。

世界は今、江戸幕府のような安定の中にある。
しかし幕府の力は徐々に弱まってきている。
この安定した時間はもうそんなに長くはないかもしれない。
しかし料理を焦っても平和世界の完成は難しい。
だから料理時間を獲得する為の方法を考えて、まずは時間を確保する必要がある。
そして落ち着いて、じっくり料理していく必要があるのではないだろうか。
その為に、坂本龍馬の薩長同盟を妨害したり、幕府を助けたりする必要がある。
今はペリーの来航も無いのに即座に明治維新をしてしまう危険がある。
血を流さず世界平和を目指すなら、今回は維新ではないよねって話。