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★17★宇宙の絆2 第4話
2009年10月2日【金】02時26分28秒

このところ、ジーク軍が少しずつ勢力を拡大していた。
俺自身さほど強いと思わないのだけど、紫苑さんやサイファさんに言わせれば、勝つために手段を選ばない、最強の戦略家らしい。
いつの間にかかつての四天王も、ジーク軍下に在籍しているとか。
群青さんとは、ファーストバトルが終わった時に少し話した。
 群青「悪かったな。でも目の前に1000万だぜ?結局負けたけど、金は貰ったからな。」
 アライヴ「仕方ないですよ。俺だって1000万出されたら、寝返るかもだし。(笑)」
 群青「そっか。俺はもう引退するけど、おまえは続けるんだってな。まあがんばれよ。」
 アライヴ「まあ、このままだと悔しいし。」
 群青「俺やおまえの得意な、アクション系のゲームがあったら、戻ってくるかもな。」
 アライブ「そうですか。その時は、たぶん敵かもしれませんが、良い戦いをしましょう。」
 群青「ああそうだな。じゃあな。」
 アライブ「ではまた・・・」
・・・
あの群青さんが戻ってきた。
他の四天王もいるとなると、かなりジーク軍は強いだろうな。
紅蓮さんも麒麟さんも、ゲーム全般が得意だって言っていたからおそらく強いだろうし、疾風さんは元々アクション系が得意な人だ。
ダイユウサク軍のエース級にも、バトルグリードで対戦して勝った事も有るらしい。
正直今のこのゲームのバトルシステムは、バトルグリードに近いところが多いらしいから、そのまま「宇宙の絆2」での強さとも考えられるかもしれない。
俺はバトルグリードはプレイした事がないけど。
何となくビジュアルが好きではなかったしね。
さて、本日もサイファさんと協力して、要塞を落とす事になっている。
今回は紫苑軍主体だから、サイファさん達にはサポートしてもらう形だ。
星さんことスピードスターさんも、今日は出撃するらしい。
我が軍は、プレイヤが少ないし、階級の高い人でも出撃は珍しくない。
まあ俺も准将なのに出撃しない事がないからな。
星さんは階級は少将で、俺よりも上だ。
紫陽花さんが中将で、紫苑さんが大将。
他のプレイヤは全て、大佐よりも低い階級だ。
つってもあまり活動していない人がほとんどだけど。
今日は珍しく、美夏中佐が共に出撃する。
俺がフェンネルを使っても、共闘できる数少ない仲間だ。
 スピードスター「一応指揮とるけど、まあ適当に♪」
 アライヴ「了解~(笑)」
 美夏「俺は戦力にならんかもしれんぞ!」
ああ、ちなみに美夏さんは、男だ。
 アライヴ「美夏さんなら大丈夫ですよ。」
 スピードスター「♪」
 美夏「だといいけど~」
さて、要塞がレーダー内に入ってきたので、俺達は出撃する。
サイファさん達の艦船は、後方支援だけど、パープルアイズは最前線へ行く。
戦力としても強いし、俺達3人がいればまず大丈夫。
それに今日はサイファ軍の今日子さんもいるしな。
 今日子「私は今日は守りにてっするから、がんばってねぇ~」
 スピードスター「♪」
 アライブ「たすかるよ~」
 美夏「さあ、あばれっか!敵がお出ましだ。」
俺達は旗艦の守りは今日子さん達サイファ軍に任せて、敵の真ん中へと向かった。
同盟軍に守りを任せるなんてと思わなくないが、サイファ軍との信頼関係はあつい。
一応リアルでも面識があるらしいから。
俺はまず、普通に敵の力量をはかりながら戦う。
どの機体が強いか?どれくらいプレイヤがいるか?戦力的に優位か不利か?
敵艦船は3隻、こっちは4隻、人型の数では圧倒的に敵優位だけど、人型を操っているプレイヤは二人か三人。
普通の弱小軍なら、この程度だろう。
俺達だって、助っ人が無ければ三人だったのだから。
しかも星さんは、艦船の艦長をNPCに任せている。
リスクを犯して出撃しているわけだ。
でもまあ、サイファさんと、それに真でれらさんが守っているから大丈夫だろう。
この二人、特に真でれらさんは、艦船の守りには定評があるからね。
どうも手応えがない。
敵は弱いし、プレイヤも三流だ。
美夏さんだけでもなんとかなるんじゃないか?
少なくとも、一対一で負ける相手ではない。
15分ほど戦っただろうか。
すでに敵の人型は全て壊滅。
そして敵艦船への攻撃を開始していた。
勝ち目が無いと判断したのだろうか。
艦船は撤退行動をすぐに始める。
プレイヤの回収もせずに、逃げるようだ。
要塞の抵抗ももう無い。
 アライヴ「楽勝だったな。要塞の占拠は、美夏さんまかせていいですか?」
 美夏「ああ、楽勝でしょ。」
美夏の愛機バナナは、まぶしいくらいの黄色い機体で、単機要塞へ向かうのがはっきり見えた。
ちなみに、人型の色は、宇宙の色と合わせたりして、見えにくくする事が多い。
なぜなら、敵からの攻撃を受けにくくなるから。
でも単機で戦う時はいいけど、共闘する場合は見えないと、身方からの攻撃を受ける事もあるから、見えやすくする場合もある。
俺達は単機での戦いより、共闘を重視しているから、基本見えやすい色にしている。
ちなみに俺の愛機キュベレイは白だ。
本家にできる限り似させているからね。
星さんの機体は金色。
ちなみに今日子さんの機体はサファイア色で少し暗めだ。
パープルアイズが、人型を回収しているのが見えた。
プレイヤ3人、身方にできるだろうか?
おそらくは無理だろうな。
今回のゲームでは、裏切りや軍を変えるのには、前回以上にリスクがある。
賞金の配分が後に決められるからと言えば、まあわかってもらえるだろう。
そんな行動をした人は、たとえ所属軍が優勝しても、配分はほとんど得られないと公表されているからだ。
配分に影響しないように軍を変えるには、一度軍の大将に正式に許可を得て退役するか、在野軍、すなわち拠点を持たない軍を辞めてから、3ヶ月間をおいて入隊する事が必要となる。
もしくは軍の壊滅や解散、もしくは自分のキャラの死後。
ただ、壊滅や解散、死に関しては、それ自体にリスクがあるけどね。
死後は1週間軍に属せないルールも有るし。
まあとにかく、前回ほど裏切りを注意しなければならない事は無くなった。
ただ、このシステムは、全ての拠点に所有者ができてから公表されたから、適当に軍を作って、拠点に名前をつけてやろうという奴らが、簡単に軍を解散できずに嘆く事にもなったわけだけど。
本来ならみんな、きっと強い人の軍に入りたかったはずだ。
中でもジーク軍やダイユウサク軍は人気だ。
本当は適当に遊んだ後、それらの軍に入るつもりだったのだろうけど、リスクが大きくて今となってはできない。
これはおそらくクライアントの作戦だったんだろう。
最初から戦力が集結していたら、ゲームの決着が早くなるし、面白みにも欠けるからね。
今ではそれぞれに軍を強くしようと必死だ。
まあ俺はこれで良かったと思っているけど。
さて、もう大丈夫そうだし、パープルアイズに戻るか。
俺は紫苑さんへと通信を入れようかと、チャット通信画面に文字を書き込む。
と、その時、友軍ではない何かが、こちらに近づいてくる警報が鳴った。
 一生「敵?」
 アライヴ「残っていたか?」
俺は紫苑さんへのメッセージを一度消して、それだけ送信した。
 スピードスター「ありゃやべぇの来た♪」
 今日子「あれ、ドリームとカズミンだよ!」
なんと、ドリームとカズミンが?
俺はレーダーにとらえた敵の方に機体を向けた。
モニタに敵機の情報を表示する。
黒い機体は、確かにドリームと表示していた。
名前:ドリーム、機体:ドリーム。
もう一機もほぼ黒に近い紺色の機体。
名前:カズミン、機体:カズミン。
俺はどきどきしてきた。
人型だけで、こんなところまで?
ダイユウサク軍の領域からだとかなり離れているから、相当燃費重視でないと、こんな領域まで来れない。
おそらく能力的には、俺のSSと似たような感じの機体だろう。
 今日子「面白い!やるよ!」
 スピードスター「♪」
今日子さんはやる気だ。
スピードスターさんは、いまいちわからないけど、やるならやるって感じかな?
俺も戦う意志を伝えようとした時、ドリームからの通信が入ってきた。
俺は特に通信を断る理由も無かったので、そのまま回線を開く。
 ドリーム「こんにちは。アライヴさんって強いんだってね。一度タイマン勝負したいんだけど、うけてくれない?」
なんと、あのドリームが俺と?
するとカズミンと今日子さんが、2機だけで少し離れていった。
すぐに今日子さんから通信が入る。
 今日子「私とタイマンでやりたいらしいから、ちょっとやってくる。手出し無用ね。」
なるほど、カズミンは今日子さんと、そしてドリームは俺とやるってわけか。
俺はドリームに了解のメッセージを送る。
 アライヴ「おっけ~!」
そしてすぐ友軍へ向けて、「俺もドリームとタイマンするから、手出し無用で!」
すぐに皆から、「了解!」とメッセージが入った。
でも紫苑さんだけは、「やばそうなら、手出しする。君はうちでは重要だから。」そう言ってきた。
俺の事を買ってくれているのだから、悪い気はしないが、手出しされるのもいやなので、絶対勝つ。
そう思った。
 ドリーム「此処までくるのに燃料かなり使ってるから、戦闘時間はおそらく5分が限界だと思うから。」
 アライヴ「了解!」
これは、5分で倒すぞと言う意味か、それとも5分では勝負はつかないかもしれないと思っているのか。
まあどちらにしても、やるだけだ。
ドリームがビームソードを抜いた。
 一生「二刀流?」
両手にビームソード。
そしてあの機体だと、おそらく接近戦オンリー。
俺の機体はどちらかと言うと中長距離メインだが、接近戦でも別にかまわない。
 ドリーム「では行くよ!」
 アライヴ「うい!」
俺が返事を返すと同時に、ドリームがまっすぐつっこんできた。
俺はすぐにビーム砲で狙う。
しかし簡単にかわしながら、なおもキュベレイに近づいてきた。
 一生「はえぇ!!」
一気に距離を詰められた。
「もらった!」、ドリームからそんな声が聞こえてきた気がした。
でも俺はそんなにぬるくないよ。
全体的なスピードは負けているが、瞬発力はこっちが上だよ。
俺は最初の一太刀を左へかわす。
しかしすぐに俺へ向けてソードが襲いかかってくる。
 一生「ツバメ返しかよ。」
俺はすでに抜いていたビームソードでそれを受けた。
ビームソードなのに、何故ビームソードで受ける事ができるのかは不思議だけど。
俺は逆の手のビーム砲で、ドリームを狙う。
と同時に、ドリームは俺から距離を素早くとった。
ビーム砲は当たらない。
俺は撃つのをやめた。
 ドリーム「流石ね。噂は本当だった。最近強いのいなくて退屈だったんだよね。」
あのドリームに流石と言われれば少しうれしいが、俺とてドリームにもカズミンにも負けるつもりはない。
 アライヴ「ドリームさんも強いね。これだけ俺とやれる人なんて、見たことないよ。」
 ドリーム「今日子さんも?」
 アライヴ「敵でね。あの人もきっと強いよ。」
 ドリーム「でしょうね。カズくんでも手こずってるし。」
見ると、なかなか壮絶な戦いをしているようだ。
でも、今日子さんが押されてる?
 ドリーム「では、第二ラウンドいくよ!」
おっと、見とれてる場合じゃ無かった。
 アライヴ「うい!」
又も返事と同時に、ドリームがつっこんできた。
この無造作につっこんでくるところが、ドリームの強さを感じる。
これがガンダムでいうところの、「プレッシャー」なのだろうか。
しかしこの程度なら、まだまだだ。
今度は早いうちに右に跳ぶと、中距離を保ちながらビーム砲で狙う。
ドリームはそれをかわしながら近づこうとするが、かわしている分距離は縮まらない。
さて、このままだと、ドリームがミスをしない限り、延々このままかもしれない。
別に此処で俺のフェンネルを見せる必要はないけど、なんとなく使ってみたくなった。
俺は少しずつ、距離をわざと詰める。
この距離でフェンネルを展開しても、ドリームには通用しないだろう。
回避不能な位置まで近づかせて、蜂の巣にしてくれる。
フェンネルの設定をパターン1にする。
前回練習時に、パターン2に変更していたからだ。
さて、うまく近づいてこい。
後少し。
ドリームに警戒している様子はない。
よし、此処だ。
俺は一気にフェンネルを展開した。
一瞬ドリームの動きに迷いが出る。
俺は機体を反転させて、全速前進。
フェンネルの中に逃げる形だ。
追いかけてくるかこないかは、もうどうでも良い。
すでにドリームは、フェンネルに完全に包囲されている。
しかもかなりの近距離で。
一気にフェンネルのビームがドリームをおそった。
やった!
あれ?爆発音が無い?
手応えが全くなかった。
中心ではドリームがノーダメージで存在した。
すぐにドリームは俺から離れる方向で、距離を取った。
なんだ?
あのフェンネルの攻撃を全てかわした?
冗談じゃない。
あれをかわされたら、フェンネルであのドリームは落とせないではないか。
 ドリーム「あぶなー(笑)フェンネル使いだって聞いてたの忘れてたよ。この機体じゃ勝ち目ないから、今日はこの辺で撤退するよ。」
・・・
ちょっとフリーズしてしまった。
 アライヴ「ああ、今日は楽しかったよ。」
嘘だ。
あの機体と武装で、フェンネルまで使ったのに落とせないどころか、ノーダメージのドリームの強さに、かなりショックを受けていた。
ドリームのところに、カズミンがやってきた。
そうだ、今日子さんはどうなった?
とりあえず大丈夫そうだけど、機体に傷が見えた。
カズミンは無傷だ。
こんな機体で、何者なんだこの人達。
流石にゲームで食っていけると言われている人達だけど、これほどなのか。
 ドリーム「じゃあ、次回はマジ勝負で。」
 アライヴ「うん。」
悔しさで、余裕もなく、ただそれだけ返事をした。
ドリームとカズミンの二機は、猛スピードでこの領域を離脱していった。
しばらくして、今日子さんから通信が入った。
 今日子「くやしいーーーーー=!!!!!!!!!!」
この適当な通信が、今日子さんの悔しさを如実に伝えてきた。
 アライヴ「カズミンってどうだった?」
 今日子「強すぎ。ってか巧すぎ。途中から、絶対に落とせる気がしなかった。」
 アライヴ「そっか。ドリームもそんな感じ。巧いってよりは早いって感じ。反応が人間じゃないよ。」
 美夏「ドリームとカズミンとやったのか?」
要塞を占拠したのか、美夏さんが戻ってきた。
そう言えば美夏さんって、バトルグリードも経験者だったような。
 今日子「やったけど巧すぎ。」
 アライヴ「確かに、勝てる気がしなかったよ。」
 美夏「ははは、テレビで彼女達の戦い見たことあるけど、コントロールが人間業じゃないからね。つーかおまえ達が健在なのが凄いよ。バトルグリードで太刀打ちできるのは、ほとんど身内だけな奴らだぜ?そいつらとまともにやれたんだから、もしかしたら俺って良い仲間に恵まれたかもな。」
ほめてもらっているんだけど、悔しさがそれを完全にうち消していた。
次戦う時まで、もっともっと強くなる、そう誓った。