5年ほど前、ネット界最大のゲーム「宇宙の絆」に、決着がついた。 賞金総額10億円を目玉にユーザーを集めて、1000万人の会員を集めたこのサイトは、あらゆるネットサービスを統合し更なる進化を遂げる。 ネット上でできる事で、此処でできない事はほとんど無いし、ゲーム料金自体も無料である事から、ユーザを集めるだけで無く、ゲームプレイヤもユーザの実に50%を越えた。 ますます進化を遂げるバーチャル世界は、自分の分身が生活する世界として、完全に人々に定着してゆく。 「宇宙の絆」の決着がついた後、「銀河バリューネット株式会社」は、戦国時代を舞台にしたゲーム「戦場の星」で更にユーザを集めた後、再び「宇宙の絆」に原点回帰する。 それが先頃リニューアルされた、「宇宙の絆2」である。 前作からはかなり内容を一新しており、はっきり言って完全に別物のゲームだ。 それでもレベル等色々な部分で引き継がれているし、移行は強制的な部分があったから、ゲーマーのほぼ全てが参加する事になった。 最初は文句を言っていたユーザーも、なれるうちに完全にはまり出す。 まあその中に、この俺「柳生一生」も含まれるわけだけど。 俺は前作のあの10億円争奪の頃からのユーザだ。 紫苑さんの軍に所属し、四天王と呼ばれるうちの一人、群青さんの艦隊に所属していた。 正直な話、俺達は強かったから、優勝はもらったと思っていた。 しかし群青さんをはじめ、他の四天王達も紫苑軍を裏切り、ジーク軍に寝返った。 紫苑軍は一気にバラバラになって、軍は壊滅した。 だから俺は結局行く場所が無く、どうしようかと思っている間に、一気にダイユウサク軍の勝利で決着がついた。 後で聞いた話だけど、ダイユウサク軍は、あの森ノ宮高校ゲーム部卒業生の集まりだったらしい。 別のネットゲーム、「バトルグリード」の「ドリームダスト」で有名な人達だ。 だからまあ、順当って言えばそうなのだけど、それにしても完全に大番狂わせだと思ったよ。 とても悔しかったから、新作の「戦場の星」へのプレイ移行はせず、2ラウンド目をプレイする事にした。 賞金は無かったけど、残ったプレイヤも多くて、そこそこ楽しめた。 ただ、これまでの経験とゲームの進化から、最初3年かかった決着は、数ヶ月から1年以内でつくようになって、面白みは半減していた。 何度か優勝者がでて、俺も優勝軍に所属していたりしたから優勝もしたけど、だんだんと飽きてきていたのも事実。 だから文句は言ったものの、「宇宙の絆2」は、次第に俺を完全にゲーム世界に引きずり込んでいた。 アライヴ「俺は人型で出るから、艦長よろw」 紫苑「(^0^)/」 今俺は再び紫苑さんが作った軍、紫苑軍に所属している。 今回のゲームでは、我が陣営には、かつて紫苑軍での主力だった四天王は存在しない。 古くからの仲間は、紫苑さんと紫陽花さんと、後はスピードスターさんくらいか。 他にもあの頃の仲間はいたけど、別部隊だったからあまり覚えていない。 アライヴ「艦船狙うから、此処はみなさん任せた!」 紫陽花「はいはい~」 スピードスター「♪」 俺は人型と言われる、ガンダムで言うところのモビルスーツのような機体をコントロールしている。 前作ではあまり活躍しなかった人型だけど、今回のではかなり重要になっていた。 今回の「宇宙の絆2」では、戦闘機が存在しない。 艦船も1プレイヤ1隻で、戦闘は主に人型どうしの対戦が普通だ。 人型で相手の艦船や拠点を落とすのが、戦いのメイン。 しかも、シミュレーションゲームだけど、人型の対戦はアクションシューティングで行われるから、コントロールを得意とする人は人型に乗り、そうでない人は艦長をするといった感じで楽しめるから、前作よりも高度で面白かった。 で、俺は元々シミュレーションよりもアクション派だから、人型で最前線だ。 アライヴ「艦船が撤退を開始!」 俺は艦船を守っていた人型を蹴散らし、艦船に攻撃を開始した。 俺一機に五機いた敵機は、戦闘不能になり、宇宙に漂っている。 艦船からの回収作業は間に合わず、艦船は高速で戦線を離脱した。 艦船が全速で逃げたら、人型一機で追いかけるのは少しつらい。 燃料がすぐにそこをついてしまうから。 だから追撃するなら艦船も一緒にするか、もしくは人型を回収して追いかけるわけだけど・・・ 今回の目的は目の前の要塞を手に入れる事だし、放置された戦闘不能人型を回収した方がメリットが大きい。 プレイヤにしてもCPUにしても、パイロットを得る事は貴重だし、人型も修理すれば使える。 艦船だけでも少しは戦えるけど、今回は人型がいないと戦闘にならないから。 俺は紫苑さんの艦船、「パープルアイズ」に帰還した。 紫苑「おつ」 アライヴ「楽勝だったねw」 今回の戦闘は楽勝だった。 相手は前作から見る名前だったけど、さほど有名人ではないし、まあただ単にゲームを楽しんでいる人なのだろう。 俺が艦内に人型を格納すると、画面は標準のシミュレーション画面へと戻る。 紫陽花「お疲れさま~」 スピードスター「相変わらず強いね♪」 二人が俺を迎え入れてくれる。 といっても、艦船は違うから別の艦船からの通信という事になるのだけど。 アライヴ「相手が弱かっただけだよ。」 紫陽花「敵はやっぱりカズミン?」 アライヴ「まね。奴を倒さないと、このゲームでの勝利はないからねぇ。」 カズミンは、ダイユウサク軍のエースで、別のネットゲーム「バトルグリード」でも何度も優勝している強者だ。 ダイユウサク軍は、元々アクションシューテュングが得意な人が多いから、実は前作よりも優勝候補としてすでに皆に知られている。 前回もそれなりに名前はしられていたから、さりげなく何処の軍も戦いを挑まなかったって話もあるけど。 アライヴ「回収した人型、どう?」 俺は、我が軍で回収した、先ほどの人型が気になっていた。 対戦してさほど強くは無かったけど、機体はなかなか良さそうだったし、CPUキャラも何人かいたから、戦力アップが期待できた。 紫陽花「こっちは、プレイヤ1人は仲間にならなかったけど、機体は頂いたわよ~」 紫苑「3人全部CPU、はずれ。機体だけ。」 スピードスター「プレイヤは駄目。機体だけ♪」 アライブ「そっかぁ~」 要するに、5機回収したけど、パイロットの収穫はゼロって事だ。 まあ、人型だけは手に入れたから、最低限の収穫はあったけど、今回のゲームは以前よりも厳しい。 前回のゲームと同様、今回のゲームにも実は、賞金が出る。 総額20億円と言われているが、はっきりとそう言っているわけではない。 今回が前回と違うのは、優勝軍のみに賞金がでるのではなく、活躍によってクライアントが分配するシステムに変わった。 それでもやはりその多くは優勝軍に配分されるわけで、賞金はゲーム終了時となる。 だからクライアントとしては、できるだけ長くゲームを続けてもらいたいわけだ。 それで今以上に人を集めて、ゲームとしてのポータルサイトナンバーワンを確固たるものにしたいという思惑がある。 だから今回のゲームに登場するNPC(CPUキャラ)は、弱者に優しく強者に厳しい設定となっているようなのだ。 ただ、前回のような爆大なデスペナは無い。 デスペナとは、デスペナルティー、死んだ時のペナルティだけど、前作は死んだら金以外の全てを失い、レベルも半分だった。 しかし今回は、レベルは経験値が少しばかり減る程度で、予備の艦船や人型が無ければ、ノーカスタムのものが与えられる親切設定だ。 それに人型の戦闘で死ぬことはまず無くて、戦闘不能状態になった後、3時間誰にも回収されない場合のみ死となる。 戦闘不能なのに、更に完全破壊するバカな人がいたら知らないが。 艦船の場合は、落とされて脱出もできないと死だけど、今のところまだ落とされた事はない。 ちなみに旗艦が落とされ死んだら、前回は軍の滅亡だったが、今回は他のプレイヤに引き継がせる事ができるから、前回ほどのリスクは無いのが良かった。 さて、今の俺の立場だけど、俺は紫苑さん率いる紫苑軍に所属している。 俺の艦船はドックに格納されたままで、人型を紫苑さんの旗艦に持ち込んでいる感じだ。 艦船には、10機の人型を乗せる事ができ、プレイヤとNPC合わせて11人でひとつの艦船を形成する。 もちろんそれ以下でも別にかまわない。 俺は旗艦直属の人型パイロットとして、紫苑さんのパープルアイズにいるわけだ。 自分の艦船で出航して、NPCに艦船を任せて自分は人型で出撃なんて事もできるが、艦船を落とされるリスクが格段にあがるのでやめている。 初心者ならまだ物量作戦って事でそれも良いかもしれないけれど、俺くらいのパイロットなら数よりも質だ。 もちろん紫苑さんが出撃できない時もあるから、その時は紫陽花さんや、自らの艦船で出る事もあるけどね。 ここまで色々前作との違いを話してきたが、まだ最大の違いを話していなかった。 前作では自分がネットにつないでいない時は、自分をCPUが動かして守りをしてくれていたが、それが無くなった。 つまり、人がいない時に攻めれば、完全に守りが手薄になっていると言うことだ。 そうすると平日の昼間や明け方なんかは、絶好の攻め時となってしまう。 そこで、戦闘を行う事ができる時間を設定されていた。 平日は19時~24時まで、休日は24時間全てとなっていた。 だからまあ普通の一週間なら、長く戦いたければ、土曜日の19時から日曜の24時までとなるわけ。 それはそれでかなりつらいけど、軍はひとりではないからね。 紫苑「(^0^)/~~」 紫陽花「私たち寝ます~お疲れさま~」 スピードスター「おつ♪」 アライヴ「お疲れ~」 奪い取った拠点の設定を終えると、紫苑さんをはじめ、みんなはネット世界から消えていった。 時間は24時を少し回ったところ、そして明日は平日だからもう戦闘ができない時間だ。 それを確認して、皆は眠りについた。 さて俺は・・・ 奪った拠点に貯蓄してあった燃料を少し拝借する。 といっても人型の燃料はさほど多くはない。 艦船1隻の燃料の1億分の1程度。 まあ無いと言っても良いくらいだけど、無いとまあ動かないわけで。 ちなみに共有しているエネルギや物資などを使うには、その時ネット回線につないでいる友軍のプレイヤの最高クラスの人か、その拠点管理者に許可を得なければならないが、今は俺なので関係ない。 まあ戦闘可能時間外なら、燃料無しでも人型は移動可能なんだけどね。 移動できずにその他のサービスまで使えないと、クライアントが儲からないから。 俺は必要無い燃料をいっぱいまで補給すると、今日この拠点を攻める前にいた、有人要塞へと向かった。 ちなみに今回の「宇宙の絆2」は、拠点の種類に修正があった。 前回は、有人惑星、コロニー、有人移動要塞、要塞の4種だったわけだけど、今回は7種。 地球、月、コロニー、要塞、移動要塞、有人要塞、要塞戦艦だ。 地球と月、そしてコロニーと有人要塞は、生産性を持っている。 それ以外は開発や生産はできても、金が増えたり物資を生産する事はできない。 移動要塞のマップ間移動は不可能になり、代わりに要塞戦艦ができた。 これは要塞としても、艦船としてもカウントされない特殊なもので、10199ある宇宙マップに3隻だけ存在する。 ちなみに10199マップ全てに拠点と言われる、コロニー、要塞、移動要塞、有人要塞のいずれか1つが存在する。 要塞戦艦が有るマップだけは、拠点が複数存在する事になるわけだ。 で、101×101のマップの中心からやや外れたところにある1つのマップが、月だ。 月は生産性が馬鹿高い拠点で、誰もが欲しい拠点の一つだ。 そしてマップの中心にあるマップが地球である。 そこに入ると、別のマップへと移動する事になる。 地球マップも30×100にわかれており、全てに街を持った拠点が存在する。 月ほどではないけど、コロニーよりも高い生産性を持っている。 その全てから、宇宙の地球周りにある8マップへと移動が可能。 地球の周り8マップは中立領域で、そこにある要塞はすべて中立要塞となり、軍に所属していない人や初心者が利用する。 ちなみに買い物等全てが可能な特殊な要塞だ。 まあとにかく、俺は紫苑軍の拠点である有人要塞へと戻ってきた。 ココは生産性の有る拠点の中では最前線の場所で、紫苑軍の戦力のほとんどが集まっていた。 NPCがパイロットの人型も、多数配置してある。 艦船には10機しか搭載できない人型も、拠点には数多く配置できる。 上限は決められているが、この有人要塞は、100機まで配置できた。 艦船も20隻入る事ができるから、合計300機の人型を配置できる計算だ。 でもまあ、そんなに戦力があるはずもないけどね。 現状我が軍は、まだまだ弱小軍である。 といっても、始まってまだ半年、それほどでかい軍は存在しない。 一番大きい軍は、前回も強かったジーク軍、次が初代チャンプのダイユウサク軍か。 他はまあ皆どっこいどっこいだろう。 あのサイファさんも、今は弱小軍だし。 サイファさんは、うちの軍と友好関係で、同盟も組んでいる軍の大将だ。 最初の戦いで、一番強かったと言っていい人。 あの時からうちの大将とは仲良しだし、今回も共同戦線をはっている。 一生「さて・・・寝る前に、整理するか・・・」 俺は自分の艦船「ノレン」に戻ると、コマンド選択画面を開いた。 自分の艦船に戻った時だけ、その艦船の入っている要塞によっての全ての行動ができる。 ちなみに舟を下りれば、リアル世界用コマンドも可能だ。 要塞内には、ゲームに関係無いリアルマネーでリアルな買い物をする場所や、ネット銀行やネット証券会社がある。 まあそれを利用すればアイテムやNPCの人材が手に入ったりするわけで、ゲームとリアルでの相乗効果が抜群のシステムだ。 ゲームをしている人は、アイテムほしさにココで買い物をするし、そうでない人はアイテムをリアルマネーでゲーマーに売る。 そうしてこのゲーム会社は人を集めたわけね。 で、今俺がしているのが、今までに軍から配分された、ジャンクパーツやNPC人員の整理だ。 いる物といらない物を分け、いらない物は売りに出す。 良い物はリアルマネーで、そうでない物はゲーム内ドルで。 拾った人型もいくつかある。 人型は、ひとり5機まで予備をもてる。 俺が今使ってる愛機は、名を「キュベレイ」と言って、あの人気アニメ、Zガンダムのモビルスーツから名を拝借した。 それ以外にも、移動用高速機を一機持っているが、他は予備を持っていない。 つーか、艦船にも3機いるし、10機まで乗せる事が可能だから、実質16機まで持つ事が可能。 軍としてなら共用の人型ももてるから、実際は限りなくもてるとも言えるけど。 ちなみに艦船も予備を5隻もてるから、こちらは合計6隻となる。 俺はノレン以外に、次期母艦を作成中だ。 まあ人型乗りの俺に、艦船が必要かと言えば、正直いらないのだけれども、まあいざという時の為にね。 拾った人型の一機が、なかなか高性能で俺好みだった。 まあボロボロだから、直して使うにはかなりの金と時間がかかりそうだけど、一応3機目の愛機にしよう。 そう思って、愛機専用のドックに入れた。 他2つはいらないから、必要なパーツだけを取って、後は分解して売りに出しておいた。 艦船には人型が3機有るけど、それを動かすパイロットがいないからね。 すぐに人型が必要でもないし。 一生「ふぅ~・・・さて、寝るか。」 俺は全てを終えると、PCの電源を落とした。 ベッドに横になると、明日の事を考えた。 俺は特に仕事はしていない。 ついこの前までは大学生をしていたが、つまらなくて辞めた。 かといって仕事をするわけでも、専門学校に行くわけでもない。 時々バイトをしている程度だ。 明日も別に何かあるわけではない。 ああ、明後日はバイト久しぶりに入れていたかなぁ~ そんな事を考えていたら、いつの間にか眠りについていた。
ゲーム内で売りに出したものは、ゲーム内で取引できる物に限って、ジャンク屋が代わりに売買をしてくれる。 リアルな物も、ゲーム会社に送って預ければ、ゲーム内取引が可能になる。 でもその場合、手数料はかなり取られるから、それなりに高いものじゃないと割に合わないけど。 で、俺はジャンク屋が集まる場所へと来ていた。 先日手に入れた人型を、修理してカスタマイズする為と、愛機キュベレイをパワーアップする為のパーツを探しに。 他人にはいらないものでも、俺には宝だったり、俺にはゴミでも、他人には必須アイテムだったりするから、ココはマメにチェックしなければならない。 まあ大きく分ければ、人型乗りは艦船用パーツはゴミだし、艦船を動かす人は、人型を繊細にカスタマイズするアイテムは、それほど必要ではないというわけだ。 中でも脳波誘導システムによる遠隔操作武器は、プレイヤがパイロットでないと使えない。 一部使えるNPCがいるらしいが、俺はまだお目にかかった事はないから、ただの噂かもしれない。 それにやたらと使い方が難しいから。 間違ったら自分で自分を攻撃してしまうなんて、初心者は必ずやってしまうほどだ。 だから遠隔操作武器は結構売りに出されている。 だけど俺は好んで、これらの武器を使う。 俺はこれらの武器を使う為にずっと特訓してきたのだから。 ほとんどがビームを発射する、ガンダムで言うところのファンネルのようなものだけど、中には小型の人型のようなのもある。 全てがうまく動けば、それはもう最強だ。 全てはさすがに無理だろうけどね。 俺は、「フェンネル」を3機と、小型の人型を1機、後は通常ショップでウイングを4機購入した。 って、フェンネルって、完全にガンダムの「ファンネル」のパクリじゃん。 ウイングは、地上戦で役立つアイテムだ。 我が軍の領域は、地球から遠いところに有るから、かなり領域を増やさなければ、地上戦はまだまだ必要無いんだけどね。 でも地上だと飛べる事はかなりのメリットになるから、早めに準備というわけだ。 宇宙戦を得意とする俺にしてみれば、飛んで戦闘できればあまり感覚が変わらないけど、微妙に違う部分もあるだろうし。 一生「さて、そろそろ19時になるな。」 19時になれば、戦闘が始まる。 だからその時間に合わせて、戦闘配置につかなければならない。 攻めるにしても守るにしても、それは必要だ。 俺は愛機キュベレイに搭乗すると、有人要塞カテーナから出る。 目指すは最前線の、先日手に入れた要塞ギャオスだ。 ちなみに要塞の名前は、最初に手に入れた人が勝手につけたものだから、変なのも多い。 ギャオスくらいならまだましだ。 放送禁止なのも多くあり、あまりにひどいのはクライアントから修正が入る。 今では所有軍のいない拠点はないから、これから名前をつける事はもう不可能ではあるが。 ギャオスでは、すでに紫苑さん達が動いていた。 アライヴ「こんちわ~」 紫苑「(^0^)/」 紫陽花「こんばんは~」 スピードスター「♪」 皆一斉に挨拶する。 まあ通信は、友軍で有ればいつでもできるし、そうでなくても相手の名前さえわかればいつでも通信を試みる事ができるのだけど、なんとなく会った時にするのが普通になっていた。 アライヴ「今日はどうするの?」 俺は、作戦の全てを、紫苑さんに任せている。 初期の大戦で、四天王の裏切りが無ければ優勝していた可能性があった人。 シミュレーションゲーム時ならトップクラスのゲーマーだ。 だからこの人と組んでいるわけで。 紫陽花「今日はサイファ軍と共同で、万古を落とすわよ。」 ・・・ 微妙な名前の要塞だけど、何故かクライアントからの修正が入らない。 なんでも昔あったマクロスってアニメの歌の中でも使われているかららしいけど。 てか、それよりも共同で? アライヴ「あそこって、凄く強固な要塞だよね。これだけの戦力でいけるの?」 紫陽花「私たちは手伝うだけ。前に手伝ってもらった事あったから。カテーナ落とす時にね。」 そういえば、俺がバイトでどうしてもゲームできない日が何日かあって、戻ってきたらすでにうちが持ってたんだったな。 カテーナって。 そういう事だったんだね。 アライヴ「オッケー!俺は暴れられればそれで良いし(笑)」 紫陽花「ではココは私に任せて、みなさん行ってらっしゃい~」 紫陽花さんは、ココの守りに残るようだ。 まあ周りには、特に強いところもいないし、紫陽花さんなら余裕だろうな。 俺は一度パープルアイズにキュベレイを着艦させた。 キュベレイから降りると、パープルアイズのスタッフが、機体の整備をしてくれる。 ちなみに艦船の乗組員は、艦船のパーツ扱いだ。 人は11人までで、その他乗組員はパーツという事。 俺はシミュレーション画面に変わってから、再び通信画面で話をした。 まあ同じ艦なのに、通信っておかしいけど、まあチャットだから逆に何処でもしゃべれちゃう訳だけどね。 携帯電話を持っていて、いつも携帯電話で話す感覚かな。 アライヴ「で、俺は何すれば良い?」 紫苑「作戦は、合流してから(^0^)v」 スピードスター「サイファから説明が♪」 アライヴ「なるほど。」 どうやら今回は、ほんとに手伝うだけのようだ。 まあサイファさんも、紫苑さんと同じくらい戦略戦術に長けているから、別に心配はない。 そしておそらく今日も勝てるだろう。 まもなくしてサイファさんの旗艦、「補給できないじゃまいか!」と合流した。 って、艦船の名前適当だなぁ~ 思わず苦笑いだ。 でもこのへんが、サイファさんの強さなのかもしれない。 サイファ「ども!今日はわざわざありがとうございます。」 紫苑「(^0^)/」 ・・・しゃべり方から考えると、あんな名前を付ける適当な人とは思えないな。 サイファ「今日の作戦なんですが、私の旗艦の波動砲で蹴散らす作戦なんで、要塞近くに人型を集めて欲しいのです。発射する寸前でみなさんには戦場を離脱してもらう必要があるんですが、大丈夫ですか?」 おいおい、波動砲って何よ? なんか昔あったヤマトに、そんな武器あったよな? もしそんな武装があるなら、すっげぇ強いんだけど。 紫苑「おけ。ジョブ!」 おいおい、簡単に言うけど、俺よくわかってないんだけど。 サイファ「ではお願いしますね。」 いやいや、お願いされても。 俺は仕方なく、話に割り込む。 アライヴ「あの~?話がわからないのですが・・・波動砲って何?(汗)」 サイファ「ああすみません。波動砲は昔ヤマトが撃っていたあれです。」 アライヴ「あれと言われても、ヤマトもあまり知らなくて。」 サイファ「すみません。強力なビーム砲だと思ってください。またはコロニーレーザー?」 おいおい、そんな強力な武装、なんで持ってるんだこの人? 真でれら「ああ今、何でそんな強力な武装持ってるんだって思ったでしょ?前回から有る程度引き継がれているものも有るって事だよ。」 ああなるほど。 そういや、なんか有ったな。 強力な砲塔が。 アライヴ「わかりました。敵を集めてそれで一気にやるわけね。」 サイファ「まあ撃つまでに時間がかかるから、時間稼ぎをお願いしたいわけです。その後は自力ですが、うまくいけばその後は楽勝でしょう。」 アライヴ「はい~」 そういう事か。 それにしてもこのサイファさん、慎重そうな人だ。 これだけの数とメンツが集まれば、万古要塞なら普通に落とせそうだけどね。 俺は少しフェンネルの射角の設定をいじった。 敵機を1機でも多く、波動砲の餌食にする為に。 まもなく作戦が始まった。 サイファ「人型は今日子さんの指示に従ってください。」 今日子「よろしくぅ~」 アライヴ「こちらこそ。」 今日子さんと言えば、サイファ軍のエースパイロットだ。 ファーストの頃から人型に乗っていたって言うから凄い。 俺も最初試みたけど、あまりにリスクが多いからやめたんだよな。 それなのに半年以上乗っていたって聞くし。 戦闘が始まると、流石にエースと呼ばれている人だと思った。 その戦闘は、強いとか早いとか以上に、とにかく楽しそうに戦っていて、それなのに俺と同じくらいの敵を倒してゆく。 一生「すごいな。でもまあ俺ほどじゃない!はず・・・」 ちなみに俺もまだ本気を出していない。 俺の得意なフェンネルは温存したままだ。 まあ敵のほとんどがNPCの人型だから、俺達クラスになると敵ではない。 と思っていたら、赤い機体が猛烈なスピードで今日子さんの機体「サファイア」に近づいてゆく。 一生「シャアか?!」 冗談で言ったら本当にシャアさんだった。 シャアさんはファーストの時に、サイファさんを裏切った人だ。 ジーク軍のスパイだったらしいが、今ではジーク軍でもないようだ。 一生「このよくわからない軍にいるんだもんな。」 今日子「裏切りものぉ~!(笑)」 今日子さんはどうやら、シャアさんとやるらしい。 それもやたら楽しそうなんだけど。 いいなぁ~ 俺は仕方なく雑魚を倒していった。 つーか、シャアさん、今日子さんに瞬殺されてるし。 あれ?もし波動砲にはまったら、戦闘不能状態どころではないかもなぁ。 俺はふと疑問に思った。 人型は戦闘不能になっても、死者がでる負けは普通無い。 戦闘不能になった奴を、更に破壊し続ければ完全破壊も可能だけど、メリットが無いからしない。 少なくとも俺は半年、完全破壊されて死んだ人を見た事がなかった。 俺は隙をつくって、戦闘不能で漂ってる、シャアさんの機体を、波動砲の発射軌道のど真ん中に移動させた。 なんかシャアさんから通信が入ってきていたが、無視無視。 それを回収しようと集まってくる敵機。 俺はそれを倒していった。 一生「ひゃっほーい!楽しい~!」 今日子「楽しそうね。」 アライヴ「そりゃもう。」 今日子「これいいわね。向こうから集まってくるし。でもそうでないのが艦船を狙ってあっちに行ってるね。」 アライヴ「今日子さん、あっちに行ったら?」 今日子「作戦上、あなたが行った方がいいから、お願いできない?」 なんだこの人、せっかくの俺の遊び場を奪うつもりか? でも、作戦指示には従った方がいいんだろうなぁ。 今日は助っ人だし、お願いされるか。 アライヴ「わかりました。引き戻してくるよ。」 今日子「ごめんね~」 俺は今日子さんの返事が返って来る前に、すでにサイファさんの旗艦の方へと向かっていった。 スピードには自信がある機体だ。 なんせ本家キュベレイのように、両肩には羽根がついていて、そこにはエンジンがついているから。 瞬発力とスピード重視の機体だ。 さてしかし、追いつくはいいけど、数が多いな。 一生「しかたない。」 俺はフェンネルを展開した。 今日子「へえ。フェンネル使うんだ。」 アライヴ「まね。本気でこれを使ってるのは、俺くらいかもね。」 今日子「そうね。数は少なそうね。でも一人知ってるよ。」 アライヴ「ほう、フェンネル使いが俺以外にいたとは。」 こんな話をしながらも、俺は旗艦に近づいてきた敵機を、次々と攻撃してゆく。 今日子「名前が同じだったから、ね。そういえばその仲間にもいたよ。」 アライヴ「ほほう。今日子って人なのか。もう一人は?」 今日子「チサトって人だよ。二人ともダイユウサク軍の使い手だよ。」 ゲームで食っていける人達の集まり、ダイユウサク軍の使い手か。 それは是非対戦したいし、絶対に負けたくない相手だな。 アライヴ「いずれその人達は俺がやってやるよ。」 今日子「私もやるの楽しみにしてるの。」 サイファ「後60秒で発射します。タイマーはそれぞれに送りました。それまでにうまく波動砲の射線上から退避してください。」 アライヴ「おけ。さて、うまくやらないとね。って、今日子さん、早く退避した方がいいですよ。そこだと時間ぎりぎりだし。」 今日子「まあ、任せて。アライヴさんも早めにどうぞ。」 なんだ?この余裕は? あの場所からだと、俺のキュベレイでもそろそろ退避しないとまずい。 俺は戦闘しながら、うまく射線ぎりぎりのところまで移動した。 しかし今日子さんはまだど真ん中にいる。 時間はあと20秒を切った。 もう俺の機体でも無理だ。 アライヴ「今日子さんまずいって!」 今日子「じゃあそろそろ行きますか~」 今日子さんの返事が返ってくると同時に、今日子さんの人型、サファイアが変形した。 一生「変形?」 見た目明らかに飛行形態といった感じに変わると、普通の人型の3倍以上の早さで移動した。 取り残された敵機は、もう明らかに波動砲を食らうだろう。 俺を追いかけて来ていた敵機は、フェンネルでうまく射線内に留めていた。 残り5秒のところで、今日子さんが射線の外へと出ていた。 俺も最後の集中砲火で、敵機を完全に射線内に置き去りにした。 そして補給できないじゃまいか!から、波動砲が発射された。 前方すぐの所を、爆発的なエネルギが通り過ぎる。 それは目の前にいた敵機も飲み込み、更に先にいたシャアさんの機体も飲み込んだ。 一瞬にして、敵機のほとんどが壊滅していた。 残っていたのは、敵機3機だけで、簡単に勝負はついた。 それにしても、今日子さんは流石。 人型を極めた一人だ。 まさか変形機体を開発して、完成させている人がいたなんて。 そしてもし俺達が順調に勝っていけば、いつか対戦する事になる相手だ。 俺は今からそれが楽しみになっていた。
紫苑軍の本拠地は、101×101のマップの2-100にある、コロニー「シオン」である。 マップの右上隅でもあるから守りやすいが、生産性がちょっと低めなコロニーだ。 そして俺のメインのドックがある場所でもある。 此処で予備の人型と艦船を管理している。 前回カテーナの艦船内で行ったコマンドは、全て此処に送られて実行されている。 拾った人型も、此処に送られて管理されているわけだ。 で、俺が今日ここに来たのは、ドック内の部下の指揮を高める為と、暇つぶしの為。 時々実際にドックやら開発室を見て回る事で、整備時間が短くなったり、開発が成功したりと、そういった可能性が若干あがるらしい。 まああくまで噂だけど。 で、もうひとつの理由、暇つぶしなんだけど、キュベレイから、高速移動専用人型「SS」に乗り換える為。 乗り換えて何をするかと言えば、訓練モードで遠隔操作人型ミニのテストをする。 人型の操縦テクニックの向上の為に、プレイヤは戦闘時間以外の時間は、コンピュータ相手にテストバトルができるようになっている。 テストバトルなんだから、わざわざ乗り換えなくてもと思わないでもないが、気分の問題なんだろう。 俺は愛機設定を「SS」に変更すると、テストモードに切り替えて宇宙へと出た。 この機体「SS」には、武器はビームソードしか搭載していない。 移動用として作ったから、スピードと燃費だけ重視の機体だから。 それでも俺にかかれば、これでもそれなりに戦える自身はあるけどね。 そしてテスト用の人型ミニ、いつまでもこんな名前で呼ぶのもあれなので、「ブロンディ」とでもしておこう。 ああ、なんか懐かしのOVAをたまたまみて、そのアニメの中で出てきたオートで動く戦闘ロボの名前だ。 一生「さて・・・」 設定は昨日すでにすませてある。 俺と同じターゲットを、俺と逆方向から攻撃する設定だ。 この設定の利点は、2対1で戦える数的優位と、敵の背後をどちらかがとれると言う事だ。 しかし大きな欠点もある。 ビーム砲等の飛び道具は特に、かわされると身方を攻撃してしまうという事だ。 それを無くす為に、攻撃のタイミングは、こちらにおいている。 それは撃つも斬るも、俺自身がブロンディを操作しなければならないと言うことだ。 自分が攻撃するのだから、タイミングをあわせて回避する事ができるが、2機を動かすのが難しくややこしいという欠点がある。 でもそこは俺だからなんとかなる。 問題は、フェンネルとの兼ね合い・・・ ブロンディを使ったテストバトルは、思った以上に楽しく、しかもうまくいった。 問題はここからだ。 一度テストバトルを終えて、愛機キュベレイに乗り換える。 ブロンディの設定をキュベレイに変更してもらう。 命令は出すが、それをするのはドックのメカニックだ。 リアルタイムで約15分かかった。 その間に昼飯を食べて、再びゲームのテストバトルへと向かう。 さて、フェンネルと両方使ったらどうなるか・・・ って、その前に、ブロンディ背負って出ると、かなり重いな。 キュベレイの動きに、少し切れが無かった。 とにかく宇宙空間へと出る。 まずはそのままの設定で。 フェンネルは、俺の後ろから敵を取り囲むように、半球状に展開している。 そして俺より前方にあるフェンネルだけに攻撃を許可し、タイミングもオートだ。 だから下手に敵に接近しようとしたら、自らを攻撃する可能性がある設定だ。 そして、機体の方向を変えるだけで、背後に有ったフェンネルが、自分の前方に存在する事になり、攻撃する。 不用意に旋回すると、これまた自らを攻撃しかねないので、背後のフェンネルには、もうひとつ攻撃タイミングを追加している。 一度自分の前方になった後、人型5機分の距離を詰めた場合だ。 フェンネルは常にキュベレイと、ある程度の距離を持とうとするが、こちらと同時に反応なんてできないから、だいたいこの設定なら、振り返り全速前進すれば、自分がフェンネルを追い越したくらいにフェンネルが敵を攻撃するタイミングになる。 まあ簡単に言えば、逃げると見せかけて、追いかけて来たところを返り討ちにする設定だ。 タイミングが重要だから、これも失敗すると自分が痛い目みる可能性大なんだけどね。 とりあえず、このままテストだ。 ややこしい。 いつもどおり、フェンネルのタイミングをみながら敵を撃破してゆく。 ブロンディも展開しているが、なかなか攻撃のタイミングをつかめない。 フェンネルの攻撃が、ブロンディに当たってしまう。 やはり2つでもつらいのに、3つを使うのは不可能なのか。 最悪ブロンディもオートでかまわないが、それだとメリットがほとんど無いし、だったらフェンネルを増やす方が良いだろう。 それに今でも単独戦闘が多いのに、ますます単独戦闘になってしまう。 他のプレイヤとの共闘なんて、フェンネルを使う以上、うまい人と組まないと無理だし、ブロンディもオートだと絶対無理になるだろう。 今日子さんと組んでも、うまく戦えないような戦い方は駄目だ。 やはりブロンディの発射タイミングは、こちらに無いと。 フェンネルのこの設定はあきらめて、別の設定を試す。 今度は、半球状部分を全く逆、つまりはブロンディの方からこちらを撃つ感じにする。 フェンネルは全てオートだ。 このメリットは、自分でフェンネルの位置をほぼ把握できる事。 デメリットは、射線が自分に向かう確率が格段に上がる事だ。 しかしこれは、うまい人なら、フェンネルをちゃんとかわせるなら、使える戦い方だ。 しかしこれでも、ブロンディの出番は少ない。 ブロンディがフェンネルの前に出ると、先ほどの設定よりも、フェンネルの攻撃がブロンディに当たる。 フェンネルとブロンディの動きを合わせる事ができれば、これを回避する手だてとなるのだけど、さて、どうしたものか。 フェンネルをブロンディ基準で動かすか。 ブロンディはキュベレイと敵機を基準に動き、それを基準にフェンネル。 フェンネルの攻撃タイミングと許可は、ブロンディの前方にいる時に限る。 これでかなりブロンディへの攻撃が避けられるが、完璧ではない。 ブロンディが高速で敵機に近づいた時や追い越した時に、フェンネルの攻撃が当たるだろう。 結局両立させる方法としては、これしか思いつかなかった。 使いこなせれば、フェンネルだけよりも強くなりそうだけど、現状だと移動が遅くなるデメリットだけだろう。 とりあえずは練習でうまく使えるようにならないと。 それまでは今までどおりでいく事にした。 ブロンディは、SSに搭載しておいた。
このところ、ジーク軍が少しずつ勢力を拡大していた。 俺自身さほど強いと思わないのだけど、紫苑さんやサイファさんに言わせれば、勝つために手段を選ばない、最強の戦略家らしい。 いつの間にかかつての四天王も、ジーク軍下に在籍しているとか。 群青さんとは、ファーストバトルが終わった時に少し話した。 群青「悪かったな。でも目の前に1000万だぜ?結局負けたけど、金は貰ったからな。」 アライヴ「仕方ないですよ。俺だって1000万出されたら、寝返るかもだし。(笑)」 群青「そっか。俺はもう引退するけど、おまえは続けるんだってな。まあがんばれよ。」 アライヴ「まあ、このままだと悔しいし。」 群青「俺やおまえの得意な、アクション系のゲームがあったら、戻ってくるかもな。」 アライブ「そうですか。その時は、たぶん敵かもしれませんが、良い戦いをしましょう。」 群青「ああそうだな。じゃあな。」 アライブ「ではまた・・・」 ・・・ あの群青さんが戻ってきた。 他の四天王もいるとなると、かなりジーク軍は強いだろうな。 紅蓮さんも麒麟さんも、ゲーム全般が得意だって言っていたからおそらく強いだろうし、疾風さんは元々アクション系が得意な人だ。 ダイユウサク軍のエース級にも、バトルグリードで対戦して勝った事も有るらしい。 正直今のこのゲームのバトルシステムは、バトルグリードに近いところが多いらしいから、そのまま「宇宙の絆2」での強さとも考えられるかもしれない。 俺はバトルグリードはプレイした事がないけど。 何となくビジュアルが好きではなかったしね。 さて、本日もサイファさんと協力して、要塞を落とす事になっている。 今回は紫苑軍主体だから、サイファさん達にはサポートしてもらう形だ。 星さんことスピードスターさんも、今日は出撃するらしい。 我が軍は、プレイヤが少ないし、階級の高い人でも出撃は珍しくない。 まあ俺も准将なのに出撃しない事がないからな。 星さんは階級は少将で、俺よりも上だ。 紫陽花さんが中将で、紫苑さんが大将。 他のプレイヤは全て、大佐よりも低い階級だ。 つってもあまり活動していない人がほとんどだけど。 今日は珍しく、美夏中佐が共に出撃する。 俺がフェンネルを使っても、共闘できる数少ない仲間だ。 スピードスター「一応指揮とるけど、まあ適当に♪」 アライヴ「了解~(笑)」 美夏「俺は戦力にならんかもしれんぞ!」 ああ、ちなみに美夏さんは、男だ。 アライヴ「美夏さんなら大丈夫ですよ。」 スピードスター「♪」 美夏「だといいけど~」 さて、要塞がレーダー内に入ってきたので、俺達は出撃する。 サイファさん達の艦船は、後方支援だけど、パープルアイズは最前線へ行く。 戦力としても強いし、俺達3人がいればまず大丈夫。 それに今日はサイファ軍の今日子さんもいるしな。 今日子「私は今日は守りにてっするから、がんばってねぇ~」 スピードスター「♪」 アライブ「たすかるよ~」 美夏「さあ、あばれっか!敵がお出ましだ。」 俺達は旗艦の守りは今日子さん達サイファ軍に任せて、敵の真ん中へと向かった。 同盟軍に守りを任せるなんてと思わなくないが、サイファ軍との信頼関係はあつい。 一応リアルでも面識があるらしいから。 俺はまず、普通に敵の力量をはかりながら戦う。 どの機体が強いか?どれくらいプレイヤがいるか?戦力的に優位か不利か? 敵艦船は3隻、こっちは4隻、人型の数では圧倒的に敵優位だけど、人型を操っているプレイヤは二人か三人。 普通の弱小軍なら、この程度だろう。 俺達だって、助っ人が無ければ三人だったのだから。 しかも星さんは、艦船の艦長をNPCに任せている。 リスクを犯して出撃しているわけだ。 でもまあ、サイファさんと、それに真でれらさんが守っているから大丈夫だろう。 この二人、特に真でれらさんは、艦船の守りには定評があるからね。 どうも手応えがない。 敵は弱いし、プレイヤも三流だ。 美夏さんだけでもなんとかなるんじゃないか? 少なくとも、一対一で負ける相手ではない。 15分ほど戦っただろうか。 すでに敵の人型は全て壊滅。 そして敵艦船への攻撃を開始していた。 勝ち目が無いと判断したのだろうか。 艦船は撤退行動をすぐに始める。 プレイヤの回収もせずに、逃げるようだ。 要塞の抵抗ももう無い。 アライヴ「楽勝だったな。要塞の占拠は、美夏さんまかせていいですか?」 美夏「ああ、楽勝でしょ。」 美夏の愛機バナナは、まぶしいくらいの黄色い機体で、単機要塞へ向かうのがはっきり見えた。 ちなみに、人型の色は、宇宙の色と合わせたりして、見えにくくする事が多い。 なぜなら、敵からの攻撃を受けにくくなるから。 でも単機で戦う時はいいけど、共闘する場合は見えないと、身方からの攻撃を受ける事もあるから、見えやすくする場合もある。 俺達は単機での戦いより、共闘を重視しているから、基本見えやすい色にしている。 ちなみに俺の愛機キュベレイは白だ。 本家にできる限り似させているからね。 星さんの機体は金色。 ちなみに今日子さんの機体はサファイア色で少し暗めだ。 パープルアイズが、人型を回収しているのが見えた。 プレイヤ3人、身方にできるだろうか? おそらくは無理だろうな。 今回のゲームでは、裏切りや軍を変えるのには、前回以上にリスクがある。 賞金の配分が後に決められるからと言えば、まあわかってもらえるだろう。 そんな行動をした人は、たとえ所属軍が優勝しても、配分はほとんど得られないと公表されているからだ。 配分に影響しないように軍を変えるには、一度軍の大将に正式に許可を得て退役するか、在野軍、すなわち拠点を持たない軍を辞めてから、3ヶ月間をおいて入隊する事が必要となる。 もしくは軍の壊滅や解散、もしくは自分のキャラの死後。 ただ、壊滅や解散、死に関しては、それ自体にリスクがあるけどね。 死後は1週間軍に属せないルールも有るし。 まあとにかく、前回ほど裏切りを注意しなければならない事は無くなった。 ただ、このシステムは、全ての拠点に所有者ができてから公表されたから、適当に軍を作って、拠点に名前をつけてやろうという奴らが、簡単に軍を解散できずに嘆く事にもなったわけだけど。 本来ならみんな、きっと強い人の軍に入りたかったはずだ。 中でもジーク軍やダイユウサク軍は人気だ。 本当は適当に遊んだ後、それらの軍に入るつもりだったのだろうけど、リスクが大きくて今となってはできない。 これはおそらくクライアントの作戦だったんだろう。 最初から戦力が集結していたら、ゲームの決着が早くなるし、面白みにも欠けるからね。 今ではそれぞれに軍を強くしようと必死だ。 まあ俺はこれで良かったと思っているけど。 さて、もう大丈夫そうだし、パープルアイズに戻るか。 俺は紫苑さんへと通信を入れようかと、チャット通信画面に文字を書き込む。 と、その時、友軍ではない何かが、こちらに近づいてくる警報が鳴った。 一生「敵?」 アライヴ「残っていたか?」 俺は紫苑さんへのメッセージを一度消して、それだけ送信した。 スピードスター「ありゃやべぇの来た♪」 今日子「あれ、ドリームとカズミンだよ!」 なんと、ドリームとカズミンが? 俺はレーダーにとらえた敵の方に機体を向けた。 モニタに敵機の情報を表示する。 黒い機体は、確かにドリームと表示していた。 名前:ドリーム、機体:ドリーム。 もう一機もほぼ黒に近い紺色の機体。 名前:カズミン、機体:カズミン。 俺はどきどきしてきた。 人型だけで、こんなところまで? ダイユウサク軍の領域からだとかなり離れているから、相当燃費重視でないと、こんな領域まで来れない。 おそらく能力的には、俺のSSと似たような感じの機体だろう。 今日子「面白い!やるよ!」 スピードスター「♪」 今日子さんはやる気だ。 スピードスターさんは、いまいちわからないけど、やるならやるって感じかな? 俺も戦う意志を伝えようとした時、ドリームからの通信が入ってきた。 俺は特に通信を断る理由も無かったので、そのまま回線を開く。 ドリーム「こんにちは。アライヴさんって強いんだってね。一度タイマン勝負したいんだけど、うけてくれない?」 なんと、あのドリームが俺と? するとカズミンと今日子さんが、2機だけで少し離れていった。 すぐに今日子さんから通信が入る。 今日子「私とタイマンでやりたいらしいから、ちょっとやってくる。手出し無用ね。」 なるほど、カズミンは今日子さんと、そしてドリームは俺とやるってわけか。 俺はドリームに了解のメッセージを送る。 アライヴ「おっけ~!」 そしてすぐ友軍へ向けて、「俺もドリームとタイマンするから、手出し無用で!」 すぐに皆から、「了解!」とメッセージが入った。 でも紫苑さんだけは、「やばそうなら、手出しする。君はうちでは重要だから。」そう言ってきた。 俺の事を買ってくれているのだから、悪い気はしないが、手出しされるのもいやなので、絶対勝つ。 そう思った。 ドリーム「此処までくるのに燃料かなり使ってるから、戦闘時間はおそらく5分が限界だと思うから。」 アライヴ「了解!」 これは、5分で倒すぞと言う意味か、それとも5分では勝負はつかないかもしれないと思っているのか。 まあどちらにしても、やるだけだ。 ドリームがビームソードを抜いた。 一生「二刀流?」 両手にビームソード。 そしてあの機体だと、おそらく接近戦オンリー。 俺の機体はどちらかと言うと中長距離メインだが、接近戦でも別にかまわない。 ドリーム「では行くよ!」 アライヴ「うい!」 俺が返事を返すと同時に、ドリームがまっすぐつっこんできた。 俺はすぐにビーム砲で狙う。 しかし簡単にかわしながら、なおもキュベレイに近づいてきた。 一生「はえぇ!!」 一気に距離を詰められた。 「もらった!」、ドリームからそんな声が聞こえてきた気がした。 でも俺はそんなにぬるくないよ。 全体的なスピードは負けているが、瞬発力はこっちが上だよ。 俺は最初の一太刀を左へかわす。 しかしすぐに俺へ向けてソードが襲いかかってくる。 一生「ツバメ返しかよ。」 俺はすでに抜いていたビームソードでそれを受けた。 ビームソードなのに、何故ビームソードで受ける事ができるのかは不思議だけど。 俺は逆の手のビーム砲で、ドリームを狙う。 と同時に、ドリームは俺から距離を素早くとった。 ビーム砲は当たらない。 俺は撃つのをやめた。 ドリーム「流石ね。噂は本当だった。最近強いのいなくて退屈だったんだよね。」 あのドリームに流石と言われれば少しうれしいが、俺とてドリームにもカズミンにも負けるつもりはない。 アライヴ「ドリームさんも強いね。これだけ俺とやれる人なんて、見たことないよ。」 ドリーム「今日子さんも?」 アライヴ「敵でね。あの人もきっと強いよ。」 ドリーム「でしょうね。カズくんでも手こずってるし。」 見ると、なかなか壮絶な戦いをしているようだ。 でも、今日子さんが押されてる? ドリーム「では、第二ラウンドいくよ!」 おっと、見とれてる場合じゃ無かった。 アライヴ「うい!」 又も返事と同時に、ドリームがつっこんできた。 この無造作につっこんでくるところが、ドリームの強さを感じる。 これがガンダムでいうところの、「プレッシャー」なのだろうか。 しかしこの程度なら、まだまだだ。 今度は早いうちに右に跳ぶと、中距離を保ちながらビーム砲で狙う。 ドリームはそれをかわしながら近づこうとするが、かわしている分距離は縮まらない。 さて、このままだと、ドリームがミスをしない限り、延々このままかもしれない。 別に此処で俺のフェンネルを見せる必要はないけど、なんとなく使ってみたくなった。 俺は少しずつ、距離をわざと詰める。 この距離でフェンネルを展開しても、ドリームには通用しないだろう。 回避不能な位置まで近づかせて、蜂の巣にしてくれる。 フェンネルの設定をパターン1にする。 前回練習時に、パターン2に変更していたからだ。 さて、うまく近づいてこい。 後少し。 ドリームに警戒している様子はない。 よし、此処だ。 俺は一気にフェンネルを展開した。 一瞬ドリームの動きに迷いが出る。 俺は機体を反転させて、全速前進。 フェンネルの中に逃げる形だ。 追いかけてくるかこないかは、もうどうでも良い。 すでにドリームは、フェンネルに完全に包囲されている。 しかもかなりの近距離で。 一気にフェンネルのビームがドリームをおそった。 やった! あれ?爆発音が無い? 手応えが全くなかった。 中心ではドリームがノーダメージで存在した。 すぐにドリームは俺から離れる方向で、距離を取った。 なんだ? あのフェンネルの攻撃を全てかわした? 冗談じゃない。 あれをかわされたら、フェンネルであのドリームは落とせないではないか。 ドリーム「あぶなー(笑)フェンネル使いだって聞いてたの忘れてたよ。この機体じゃ勝ち目ないから、今日はこの辺で撤退するよ。」 ・・・ ちょっとフリーズしてしまった。 アライヴ「ああ、今日は楽しかったよ。」 嘘だ。 あの機体と武装で、フェンネルまで使ったのに落とせないどころか、ノーダメージのドリームの強さに、かなりショックを受けていた。 ドリームのところに、カズミンがやってきた。 そうだ、今日子さんはどうなった? とりあえず大丈夫そうだけど、機体に傷が見えた。 カズミンは無傷だ。 こんな機体で、何者なんだこの人達。 流石にゲームで食っていけると言われている人達だけど、これほどなのか。 ドリーム「じゃあ、次回はマジ勝負で。」 アライヴ「うん。」 悔しさで、余裕もなく、ただそれだけ返事をした。 ドリームとカズミンの二機は、猛スピードでこの領域を離脱していった。 しばらくして、今日子さんから通信が入った。 今日子「くやしいーーーーー=!!!!!!!!!!」 この適当な通信が、今日子さんの悔しさを如実に伝えてきた。 アライヴ「カズミンってどうだった?」 今日子「強すぎ。ってか巧すぎ。途中から、絶対に落とせる気がしなかった。」 アライヴ「そっか。ドリームもそんな感じ。巧いってよりは早いって感じ。反応が人間じゃないよ。」 美夏「ドリームとカズミンとやったのか?」 要塞を占拠したのか、美夏さんが戻ってきた。 そう言えば美夏さんって、バトルグリードも経験者だったような。 今日子「やったけど巧すぎ。」 アライヴ「確かに、勝てる気がしなかったよ。」 美夏「ははは、テレビで彼女達の戦い見たことあるけど、コントロールが人間業じゃないからね。つーかおまえ達が健在なのが凄いよ。バトルグリードで太刀打ちできるのは、ほとんど身内だけな奴らだぜ?そいつらとまともにやれたんだから、もしかしたら俺って良い仲間に恵まれたかもな。」 ほめてもらっているんだけど、悔しさがそれを完全にうち消していた。 次戦う時まで、もっともっと強くなる、そう誓った。
今日、昼間っから練習していたら、夕方プレイヤがひとりパイロットに志願してきた。 一応俺は准将だからそのまま受け入れる事もできるが、大将の紫苑さんに許可は得た方がいいだろう。 それに、俺の艦船に配属しても、意味無いし。 それでも一応、面接と言うか、どんな人なのか聞いておくか。 アライヴ「どうして我が紫苑軍に入ろうと思ったんですか?」 じぇにぃ「えっとぉ、ダィユゥサクぐんにぃ、はぃろぅとぉもったんだけどぉ。ぁそこって、みぅちだけでやってるんだって。そしたら、ここがつよぃから、紫苑ぐんがぃぃよぉ~って。」 ・・・ なるほど。 強い軍に入ろうとダイユウサク軍に志願したけど、身内だけでやってるから断られ、紫苑軍を推薦されたから此処にきたと。 悪い気はしないけど、最初にダイユウサク軍にってのが引っかかるなぁ~ でもそうか。 あそこは身内だけでやってるのか。 それなら、俺がドリームとカズミンを倒せるようになれば、ダイユウサク軍に勝てるようになるな。 じぇにぃ「ちなみにぃ、ぁたしつよぃから~ドリームさんのぉすみつきだよぉ。ばとぐりでわぁ、かったことぉぁるしぃ。」 なにぃ!! バトルグリードで、ドリームに勝ったって、相当強いんじゃん? あのドリームを倒したんでしょ? 俺は負けないまでも、勝つ事は現状不可能なあの人に。 ゲームは違えど、これはもしかしてかなりの使い手かも・・・ しゃべり方は中学生か小学生っぽいけど。 紫苑「どした?(^-^)?」 紫苑さんから通信が入ってきた。 俺がメッセージを紫苑さんに送っておいたからだ。 もちろん用件は、このじぇにぃって子の処遇をどうするか。 アライヴ「じぇにぃさん、今大将きたから、ちょっとまってて」 俺はそれだけじぇにぃさんに言うと、今度は紫苑さんと通信する。 アライヴ「今我が軍に志願してきた人が。なかなか強そうなパイロットですが、子供っぽいです。(笑)」 紫苑「入れて大丈夫そう?」 アライヴ「俺は欲しいですね。」 紫苑「じゃあ俺の艦に乗せるか。」 おお?いきなり旗艦に? でもまあ、話が本当ならそれくらいのパイロットではあるな。 アライヴ「じゃあとりあえず乗せますね~」 紫苑「了解~」 俺は紫苑さんの了解を得て、今度はじぇにぃさんに通信を入れる。 アライヴ「喜んで入隊を許可します。よろしく。配属は旗艦専属のパイロットだ。俺と同じね。」 じぇにぃ「ぁりがとござぃますぅ。きっとちからになりますよぉ。」 アライヴ「うん。よろしく。では旗艦は今有人要塞カテーナにあるから、人型を移動させておいてね。今日も要塞攻略に出陣するから。」 じぇにぃ「さっそくですかぁ。がんばりますぅ。」 本当にこんな子が強いのだろうか? でもまあ、俺が宇宙の絆を始めたのが中学生だったし、まあ大丈夫だろう。 それにこんなしゃべり方はネットだけかもしれないからな。 リアルだと案外大人だったりする事もあるし。 ・・・ アライヴ「ひとつ聞いてもいい?高校生?」 じぇにぃ「ちゅぅぃちですぅ。」 ・・・ 大丈夫だよね? アライヴ「そっか。戦闘は夜遅くまでになるけど、大丈夫?」 じぇにぃ「ははは、ぃまどきぃ12じにねるこぉ~ぃなぃよぉ~」 ・・・ アライヴ「だよね。」 とにかくこんな感じで、俺達は要塞攻略に出陣するのであった。 今日攻略するのは、今後の最前線にしたいと考えている、コロニーの「コロコロコロニー」だ。 って、誰だよ、こんな名前つけたの。 めちゃ弱そうなんだけど。 でも此処って、コロニーでは3番目に生産性の高い(諜報活動によってわかる範囲で)なかなか使えるコロニーなのだ。 でもやっぱ、コロコロコロニーはないよな。 まあ紫苑さんは喜んでいるけど。 紫苑「今日一日でとか思ってないから。ゆっくり削っていこう。(^0^)/」 アライヴ「はい~」 スピードスター「♪」 じぇにぃ「ぅはぁ~」 ・・・ まあ今日は、サイファさん達とは別行動だし、今日子さんはもちろんいない。 美夏さんも残業で今日はこれない。 紫苑さんも星さんも人型で出て、艦船の守りをするとか。 紫苑さんは、なまってるから今日は適当にやるって事だけど。 実質俺とじぇにぃとふたりでやるのか。 もちろんCPU人型は10機ほどいるけど、敵はおそらく最低でもその数倍いるんだろうな。 なんて思っていたら、数倍どころではない数が、レーダーに写った。 一生「おいおい、多すぎるでしょ。」 アライヴ「多いな。旗艦大丈夫ですか?」 紫苑「旗艦はなんとかするけど、アライヴひとりでその数無理か?」 正直俺が10人分強いと言っても、50機いっぺんに相手になんてきつすぎる。 じぇにぃ「ぁたしもぃるよぉ~きっとかてるぅ。きっとたのしぃ~」 ・・・ いまいち信用できる言葉に聞こえてこないが、まあやばけりゃ逃げればいいか。 アライヴ「やばければ速攻撤退しましょう。それまでできるだけやってみます。」 紫苑「うん。」 じぇにぃ「ぁたしとくんでるんだからぁ、じょぶじょぶ。」 アライヴ「うん、わかった。じぇにぃちゃん信用するよ。全部やろう。」 じぇにぃ「ぇへへぇ~」 いまいち信用度に乏しいが、どっちにしても信用してやるしかないのだ。 とにかくせめて、足をひっぱられなければそれでいいや。 俺達は敵の真ん中へと突き進んだ。 じぇにぃの機体は、見た目極々ノーマルな機体だ。 武装を見る限り、スピード型ではなさそう。 なんせ武器がスナイパー用の長距離ビームライフルで、カスタマイズで威力を上げているようだ。 その分動きが遅くなるが、当たれば当たり所によっては一撃で戦闘不能にできそうな武器。 まあ俺が相手だったらまず当たらないけどね。 さて、戦闘開始だ。 アライヴ「数が多いから、助けてもらえると思わないでね。」 じぇにぃ「ぁぃぁぃさぁ~でもこっちはたすけてぁげるからねぇ~」 言う言う。 頼もしいじゃないか。 アライヴ「こっちはフェンネル使うから、離れて戦った方がいいか?」 一応確認だ。 もともと離れて戦うつもりなんだけどね。 じぇにぃ「ぉすきにぃ~なんでもどんとこぃだよぉ~」 ・・・ またなんだか不安になってきた。 って、もうそうもいってられなくなってきた。 俺はフェンネルを全部展開した。 設定はパターン2に変更。 攻撃の手数は多い方がいいから。 戦闘が始まった。 数が多いから、いっさい気を抜けない。 よそ見でもしようもんなら、敵に攻撃されるだけでなく、自らのフェンネルにも攻撃されてしまう。 じぇにぃ「ぁはは~すごぃかずのフェンネルだねぇ。」 おいおい、余裕じゃないかこの子。 俺は通信してる暇ねぇぞ。 じぇにぃ「そんなにフェンネルとばしたらぁ、つぅしんしてるよゆーなぃねぇ。」 そのとおりだよ。 なんだこの子? 戦ってるのか? 俺はよそ見ができる状態ではないけど、気になってじぇにぃの機体、「ぷりちぃ」を視界に入れた。 うまい・・・ この子もフェンネル使うのか。 フェンネルはひとつだけだが、それを巧く使って、敵動きをコントロールし、それをライフルで一撃・・・ って、よそ見している間に、敵の攻撃をくらった。 一生「うわぁ、俺のキュベレイちゃんがぁ!!」 じぇにぃ「だぃじょぶ?」 アライヴ「かすっただけだよ。」 ふぅ~あぶねぇ。 危うく落とされるところだったよ。 じぇにぃは大丈夫そうだ。 俺は俺だけ考えて、がんがん落としてやるぜ。 負けらんない。 俺は改めて集中力を高めた。 その後のじぇにぃの戦い方は見る事はできなかったが、気がついたら俺とじぇにぃで50機いた敵を全て倒していた。 まあ相手は全てCPUの動かす人型だったから、俺達なら終わってみれば当然の結果か。 それにじぇにぃの戦い方は、直接は見れなかったけど、時々俺に向かっている人型を横からねらい打ちしてしとめていたから、もしかしたら単独戦闘以上に共闘が得意な子なのかもしれない。 単機で戦うのが得意なドリームを、バトルグリードで倒した事があるとなると、もし共闘の方が得意となれば、この子の強さは・・・ 頼もしい仲間を得た、そう思った。
俺は、夕方からゲーム参加してきたじぇにぃと、一緒にテストバトルしていた。 共闘が得意なじぇにぃと、息を合わせる事ができれば、もっと強くなれるだろう。 アライヴ「じぇにぃちゃんって、接近戦はどうなの?」 じぇにぃ「ライフルのさきでぇきるよぉ。」 なるほど。 確かに先には刃がついているけど、これだと接近戦はあまり得意でないとみるべきだろう。 それにスピード型ではないから、接近戦が得意なスピード型が相手だと、少しつらいかもな。 アライヴ「ちょっと俺機体を変えるから、テストバトルしよう。」 じぇにぃ「まけないぞぉ。」 身方同士なら、テストバトルは対戦形式で行う事ができる。 ただ、あまりにひどいダメージは残るから、ほどほどにやらなければならないんだけどね。 アライヴ「本気できてね。この機体なら壊しても問題ないから。」 じぇにぃ「ぁぃぁぃさぁ~」 さて、お手並み拝見だ。 俺が今乗っているのはSSだ。 これはドリームと同型機と言っていい近接格闘機のスピード型だ。 俺はとにかくスピードを生かして接近を試みる。 するとフェンネルの攻撃がおそってくる。 一生「当たるわけないし。」 フェンネル使いの俺が、フェンネルの攻撃をかわせない訳がない。 って、危ない! 俺はぎりぎりのところでかわした。 なんだ? フェンネルの攻撃タイミングに合わせて、巧くかわしたと思ったけど。 って、今度はライフルの攻撃。 これはわかっていなければ、やばかった。 流石にドリームに勝ったと言っているだけはある。 てかなんだ? フェンネルの攻撃を、かわすので精一杯だ。 しかもかわしたところでライフルの攻撃。 普通の奴なら完全にやられている。 フェンネル使いの俺でも追いつめられているのだから。 って、フェンネルじゃない? いや、フェンネルだけど・・・ そうか、このフェンネルの設定。 最初から射線をずらしてやがる。 かわしやすい方向に・・・ そして発射タイミングは、完全にプレイヤだ。 なるほどねぇ。 かわしやすいタイミングで発射して、楽勝でかわせると思ったところにビームが向かってくる。 此処で当てられる、または驚いて動きが止まったところを、ライフルで狙い撃ちか。 うまく考えられた作戦だ。 しかしわかってしまえば、俺には通用しない。 まあほとんどのプレイヤには通用するだろうけど。 俺はフェンネルの攻撃の射線をしっかりと把握した後、今度はかわさない。 じぇにぃの攻撃は、はっきり言って完璧な精度の攻撃だ。 だから逆に見切られると、簡単にかわせるんだよね。 じぇにぃ「ぇぇーー!!」 ははは、驚いてるな。 楽勝でかわして、ライフルを使うタイミングを与えない。 こうなれば一気に接近だ。 って、なんだぁ!! フェンネルの設定を変えてきやがった。 当然か。 当たらない攻撃が当たらないなら、当たる攻撃で当てるってね。 でも、これならいつもと同じ。 さあ、接近したぞ、どうするじぇにぃちゃん。 って蹴りぃ?! そしてライフルの先の槍か。 俺は後ろに跳んでかわす。 やべ、ライフル撃てるじゃん。 ドカーン!! じぇにぃ「やったぁ!」 一生「残念でした。」 俺は後ろから軽くビームソードでぷりちぃを斬りつけた。 アライヴ「俺の勝ちだ。」 じぇにぃ「あれぇ?ひとがたみぃにぃ!!」 アライヴ「そゆこと。」 さきほどの爆発は、人型ミニ、つまりブロンディにあたって爆発したものだ。 さっきの瞬間、俺はとっさにブロンディを起動。 その場に残して、軽くなった機体で、高速でぷりちぃの後ろに回り込んだわけ。 爆発したから視界にもとらえられなかったし、とっさの作戦としてはなかなかのものだろう。 実戦だったらブロンディを無駄に無くすところだけど、まあテストバトルだし、大丈夫だ。 じぇにぃ「うっそぉーーー!!はつたぃせんではじめてまけたぁーー!!やーーん!!」 ・・・ 聞いたところによると、ドリームに勝ったのは、初対戦の時だけだったそうだ。 そして他とも、初対戦者には負けたことが無かったらしい。 でも2戦目以降は、戦術がばれると強い相手には勝てなくなるそうだ。 まあ俺だって、先日一緒に戦って、戦い方を見ていなければ、負けていただろう。 だから強い事にかわりはないんだけど・・・ やはり共闘が向いているし、もう少しバリエーションが有れば、きっともっと強くなる。 アライヴ「じぇにぃちゃん、君はステキだ。ドリームとカズミン、俺達なら勝てるかもしれないよ。」 じぇにぃ「ふぇ?ぇーと、プロポーズ?」 アライヴ「なんでやねん!!」 じぇにぃ「だってぁのふたり、ふぅふだしぃ~」 アライヴ「そなんだ。」 まあそんな感じで、俺達は打倒ドリーム、打倒カズミンを誓うのだった。
じぇにぃとコンビで戦うようになってから、俺達紫苑軍の快進撃は続いた。 一日一要塞の目標は、ほぼ確実に攻略してゆく。 しかしまあ、如何せん戦力が少ないわけで、勢力を拡大しても空き巣を狙われればいっかんの終わりでして。 結局は重要拠点を守るのが精一杯だ。 コロニーシオンとカテーナ、そしてコロコロコロニー。 この三カ所を結ぶラインだけが、はっきりと我が領域と言える場所。 紫苑「…」 スピードスター「♪」 紫陽花「はぁ~」 アライヴ「やっぱりプレイヤの身方がほしいな。」 じぇにぃ「ぅちらさぃきょぅなのにぃ~まもれるひとがぃなぃもんねぇ…」 この悩みは俺達だけではない。 ダイユウサク軍だって、身内だけでやっているから、そこそこまで勢力を広げたけど、そこで行き詰まっているし、ジーク軍も今はおとなしい。 サイファさんところは、何故か友好関係が多いから、少しずつ巧く広げているけど、それでもそろそろ手詰まり感がある。 いくら国力があっても、今回はプレイヤの数が圧倒的に必要なシステムなんだ。 人が増えない事には、勝負がつかない。 誰かを誘う? って、これがこの会社の作戦だったのかもしれない。 人がいないと攻略できないゲーム。 参加していない人を誘うと、ユーザが増えるって寸法だ。 そんな事がわかったところで、どうにもならんのだけど。 紫苑「ネットで集めるか。」 スピードスター「うむ~♪」 この考えは、実は前々からあったが、結局やめた方法だ。 理由は、いくら裏切りが少なくなったとは言え、やはりジークのように現金で寝返りを求められれば、おそらく寝返る可能性もあるし、なによりまじめにやるかどうかが疑問だ。 やりたい奴はおそらくすでにやっているだろう。 13192有る拠点と3つの要塞戦艦。 その全てにプレイヤを配置するだけで、プレイヤ13195人が必要だ。 それもアクティブな人が。 でないと何処かしら守りができない場所がでてくる。 現在このゲームの戦闘時間の、戦闘に参加しているユーザー数を見ると、ほとんど拠点の数とイコールだ。 それは、攻めるもひとり、守るもひとりで成り立つ計算で、そもそもこの人数でゲームクリアが可能なのか? それでも統一となると、一陣営にこれだけの人数が必要になる。 これは戦って戦って、勝って勝って、他よりも圧倒的に高いレベルと、戦力を得るしかないな。 アライヴ「先は長いな。」 紫苑「まあ、20億だからな。」 紫陽花「この会社の年間の純利益を考えると、5年以上は続けて貰いたいところね。」 スピードスター「なるほど♪」 じぇにぃ「はなしがぁむずかしぃからわかんなぃよぉ。」 アライヴ「とにかく俺とじぇにぃで勝ちまくるしか無いって事よ。」 じぇにぃ「なるほどぉ。」 紫苑「なるほどそれだ。」 俺とじぇにぃの会話を聞いて?いた紫苑さんが、何か思いついたようだ。 紫苑「サイファと相談してくる。」 紫苑さんはそう言うと、しばらく通信を切った。 通信を切る必要が有るのかどうかは知らないが、何かしらの交渉に集中したいのだろうか。 それよりも・・・ アライヴ「紫苑さんどうするつもりだろう。」 スピードスター「任せておけば大丈夫♪」 紫陽花「私が伝えるね。」 そっか、紫陽花さんは、紫苑さんとならんでゲームしてるって言ってたもんな。 アライヴ「どうですか?」 はっきり言って気になる。 ファーストの時、四天王が裏切らなかったらおそらく優勝していた紫苑さんと、もっとも優勝に近かったサイファさん。 このふたりで相談。 どんな作戦なんだろうか? 紫陽花「言えない。(笑)」 なんですとぉ?! しばらくしてから、紫苑さんが通信回線を開いた。 紫苑「作戦決定。」 アライヴ「言えない作戦ってなんです?」 紫苑「(-_-メ)」 紫陽花「汗」 スピードスター「♪」 なんだ? 身方にも内緒の作戦なのか? 紫陽花「話しても良いよね?」 紫苑「わかった。話すよ。」 スピードスター「♪」 どうやら話してくれるようだけど、これは結構やばい作戦なのかもな。 紫苑「まず、サイファ軍との同盟関係を解きます。これは次回期限の更新をしない事でやります。1週間後。」 なんと、サイファさんと話して、同盟を解消するのか。 これは・・・ 紫苑「もちろん、裏では友好関係は維持するので、決して戦闘は行わないように。」 やはり。 紫苑「そして同盟解消後、俺と紫陽花は、親のIDでサイファ軍に入り、直接協力して勢力拡大に協力します。」 なんと、そんな事すると、この軍の大将と中将が共にいなくなるって事じゃん。 アライヴ「IPアドレスが同じになるから、自宅からだとできないんじゃ?」 紫苑「もちろん。その間、紫苑および紫陽花は一切行動できません。」 それで、紫苑軍はどうするんだ? 実質俺とじぇにぃ、そして星さんだけになるって事だ。 これは厳しいんじゃね? アライヴ「しかし何故そんな事をする必要が?」 紫苑「理由は、サイファ軍を、ジーク軍とダイユウサク軍に匹敵する勢力にする為。できれば星、おまえも別IDでサイファ軍にきてくれ。」 ええ!! それでどうやってやっていくのだろう。 スピードスター「♪」 紫苑「了解と受け取った。(^0^)/」 おいおい、了解してるよ。 アライヴ「何故匹敵する勢力に?」 紫苑「もしアライヴが死んだとして、何処の軍に入る?」 アライヴ「そりゃ、紫苑さんのところに戻りますよ?」 紫苑「でももう滅亡していていたり、優勝の望みが全くなければ?」 アライヴ「う~ん。やっぱ強いところかな。ダイユウサク軍は無理だし、ジーク軍はあまり好きじゃないから・・・そっか!」 紫苑「そゆこと。第三勢力にサイファ軍をすれば、死んだ人の多くはサイファ軍に流れる。」 アライヴ「後はジーク軍と、他に強いと認めた人のところに行くわけだ。」 紫苑「だから、俺達がいない間に、アライヴとじぇにぃで、がんがん攻めまくって、殺しまくってくれ。それも強さを見せて。」 ははは、殺すって事をすっかり忘れていた。 人型が手に入らないし、経験値が大きく無くなるわけでもないから、殺す事にデメリットはあっても、メリットは無いと思っていた。 いや、どの攻略サイトにも、どの掲示板にも、プレイヤを死亡させる事は愚考として言われている。 紫苑「この作戦は、君たちの強さにかかっている。」 これは、完全に紫苑さんが、俺とじぇにぃを信頼しているからこそできる作戦だ。 この信頼に応えないで、何がエースパイロットだ。 アライヴ「俺はやるよ。じぇにぃも良いか?」 じぇにぃ「ふふははぁ~やるにけってぃ~!!」 こうして俺達の作戦は始まった。 って・・・ アライヴ「で、何処が言えないような作戦なの?」 紫陽花「この人ね、もし紫苑軍がそれで駄目そうだったら、そのままそっちに入れてくれって言ってたのよ。」 紫苑「君たちが強ければ問題ない。」 ・・・ まあ、俺達が強さを見せれば、やられた奴らの一部は紫苑軍に志願してくるだろうし、問題ないから良いって言えば良いんだけど・・・なんかしっくりこないな。 これが紫苑さんの強さでもあるから、驚きも反感もないけどね。
アライヴ「よし、プレイヤは全部始末したな?」 じぇにぃ「ぁぃぁぃさぁ~」 アライヴ「次いくぞ!」 俺達はとにかく攻めまくって攻めまくって、無茶苦茶な戦いを続けていた。 何処が無茶苦茶かと言えば、今回のゲームでは完全に攻め手不利なゲームなのに、攻めるだけの戦闘を繰り返し、尚かつ少数だ。 本来ならこんな戦いはできないはずだけど、俺達の強さと、そして敵戦力の分散が生む弱さによって、可能となっている。 更には、一度取った要塞はすぐ取りかえされるわけだけど、取ったり取られたりを繰り返す事によって、守りも弱くなるし、生産性も下がる。 最初こそこの作戦はきつかったが、今ではだいぶ楽になっていた。 俺達のコンビもかなり精錬されていて、全く負ける気がしない。 ちなみに母艦は、紫苑さんのリアル友達のひとり、「てけとー」大佐の艦である。 てけとーさんは、作戦期間中だけ頑張ってくれと紫苑さんに頼まれて、いやいや引き受けたらしいけど、今では結構ノリノリだ。 てけとー「ははは、次だ次!!」 別に弱い人ではないけど、調子乗りすぎだって。 母艦落とされないように、注意しないとな。 ちなみに拠点の守りをしっかりやっているのは、コロニーシオンだけだ。 もし攻められたら、紫苑さんのリアル友達の「壁」中佐さんに電話を入れて、オンラインさせる手はずになっている。 この人は漫画家らしく、いつも忙しいからゲームどころではないが、いつも家にいるので、都合良く使わせてもらっているとか。 まあ実際攻められるような状況は、今のところなさそうだけど。 取られたら速攻取り返す状況だし、前線が崩れるのは一瞬だからね。 結局今日も、拠点の数がトータルで減る事はなかった。 最初こそ減る方が多かったが、最近はこの方法ですら少しずつ拠点を増やせている。 それに合わせるように、志願してくるプレイヤも増えてきていた。 それ以上にサイファ陣営には人が集まっているらしいけど。 今回の作戦で、今のところ一番恩恵にあずかっているのが、サイファ軍で、次がジーク軍、そして紫苑軍だ。 それでも今だけを見るなら、我が紫苑軍が一番いい感じだ。 なんせ紫苑領の周りは、ほとんどが空白化していると言っていい。 プレイヤを倒す為には、少しずつ遠征しなければならなくなっているから。 作戦では一応、紫苑軍とサイファ軍で、最前線を固めながら侵攻できる100人以上のアクティブプレイヤを確保できるまで。 地球攻略を考えると、150人くらいは欲しいところだけど、今の戦い方を続けていけば、100人でも十分やっていけそうだ。 だけど、現状良い感じでも、潜在的には紫苑軍はかなりきつい状況にもなっている。 他へ志願したプレイヤのほとんどが、紫苑軍に強い敵対意識を持つことになったのだから。 多くと友好関係を持つサイファさんですら、入ってきたプレイヤに事情を説明してわかってもらうのはかなり難しいだろうと言っていた。 みんな紫苑軍とやりたがっているらしいから。 それを、いろいろと理由をつけてうまくごまかしているらしいけど、本当の事を言ってどれだけわかってくれるか。 もしジーク軍と隣接していたら、きっとすでに全面戦争だったかもしれない。 実は我が領域は、ジーク軍とはもっとも離れた位置にある。 だから決戦はおそらく終盤になるだろう。 もしくは地球あたりから直接対決が始まるのだろうけど、今のところまだまだだ。 アライヴ「そろそろ12時だな。」 てけとー「だな。今日はこのへんにするか。」 じぇにぃ「は~ぃ」 アライヴ「では、コロコロに帰投する~」 現在俺達が主に使っている拠点は、コロコロコロニーだ。 最初はシオンを使う予定だったのだけど、攻撃しまくっていれば、思ったよりも攻められないものだ。 紫苑さんが言っていたけど、攻めて殺しまくるゲームの攻略法は、他のシミュレーションゲームなら、常套手段であり、つまらないものだと言っていた。 これをすると簡単に攻略できるのだけど、それを嫌うゲーム会社は、殺す事に重いリスクを持たせる事も多いらしい。 今回はそんな事しなくても、大きなリスクを背負っているわけだけどね。 でも流石にお金がかかっているから、感情だけで行動する人は多くはないようだ。 俺達が勝ち続けていれば、敵ではなく身方にもなるのだ。 紫苑「ごくろう。」 丁度コロコロコロニーに入ったところで、紫苑さんからの通信が入った。 12時を回って、戦闘時間はすでに終わっているから、家に戻ってきたのだろう。 てか、実家とかなり近いところに住んでるんだろうな。 アライヴ「紫苑さんおひさ~」 じぇにぃ「こんばんわぁ」 てけとー「おい紫苑、いつまでこれ続けるんだ?まあ楽しいけど。」 久しぶりの紫苑さんの登場に、皆少しうれしそうだ。 ってか、俺がなんとなくうれしいのか、完璧に任務をこなしている達成感からくる自信が、会うことに喜びを感じているようだ。 そんな喜びをよそに、紫苑さんは軍全体に通信を送る。 紫苑「我が軍に入ってくれた皆様、感謝します。我々があなた方を殺してまで身方に引き入れたのは、早いうちに優勝争いのできる軍に入り、このゲームの本当の楽しさを味わって貰いたかった、と同時に、早くから我が軍でプレイしている方が、報酬が多くなる事は必至。みなさんの為に行った行為である事をわかって貰いたい。」 適当な事を言っている。 少し苦笑いだ。 しかし、これが適当な事を言っているとわかっていても、結果的にはそうなるだろうから、普通の人とならこれで、仲間としての絆は強くなるだろう。 新しく入った仲間が、何人か紫苑さんへと返事を入れていた。 概ね理解しているようだし、我が軍に入ってきた人だから、そんな事はすでにわかっているようだ。 問題は他の軍だけど、サイファさんのところでも、紫苑さんは同じような事を言って、皆の敵対意識を薄めているのだろうと思った。 紫苑軍に敵対意識を持ってる人に、「早めに強いところに移動できてラッキーじゃん?逆に紫苑軍に感謝するべきだよ。」なんてね。 紫苑「みんなありがとう。後少し、もう少し身方プレイヤが増えたら、本格的な侵攻を再開する。それ以降よりそれ以前に我が軍に入っていた方が、ゲームが終わった時の報酬は多くなるだろう。だからもし迷っている友達プレイヤがいるなら、今のうちに入る事を勧めてあげてほしい。では、私は失礼する。」 紫苑さんはそう言った後、軍の全体通信を終了し、我々一部だけの通信へと切り替えた。 通信には、軍通信、グループ通信、個人通信などがあり、今はグループ通信で、主要メンバーだけの通信だ。 紫苑「順調(^0^)/」 アライヴ「ですねぇ。」 てけとー「敵もえらい増えてるけどな。」 じぇにぃ「わたしわぁたのしぃからぃぃ」 アライヴ「紫苑さん、もう少しって言ってたけど、まだまだ人数的には足りませんよ?」 そうなのだ。 先ほどの演説のような通信で、後少しで本格的に侵攻するって言っていたけど、まだまだ予定の3割にも満たない人数だ。 少し増員が加速してはいるけど、このまま増えても後3ヶ月は頑張らないと無理だろう。 紫苑「大丈夫。きっとすぐだよ。」 えらい自信だな。 さっき言っていた、友達を誘うって事なのだろうか? まあ、紫苑さんが言うのだから間違いないだろう。 俺は信じる事にした。 って、もともと信じてるけどね。 後は少し雑談をして、今日のプレイを終えた。 明日はバイトだ。 なんか面倒くせぇ。 そんな事を考えながらベッドに入った。
紫苑さんの言うとおり、目標の人数はすぐに集まった。 友達を集めるのもそうだけど、それ以上に多かったのが、他の軍に殺されて、此処にくる人だ。 我が軍の戦い方を見て、人型にとどめをさす軍が格段に増えていた。 ジーク軍も四天王をフル活用して、周りの勢力をどんどんうち負かしていった。 宇宙の絆2は、大戦国時代だ。 動きが動きを呼び、早いうちに自ら移動する者も多くなっていた。 紫苑「今日から本格的に私も復活する。プレイヤキルは今まで仕方なくしてきたが、やはりいくない。今後中止する。皆やらないように。」 紫苑さんがサイファ軍にいた事を知っているのは、主要メンバーと、サイファ軍の主要メンバーだけだ。 ちなみに紫苑軍への反感は、サイファ軍の中にはもうあまり無いらしい。 プレイヤキルは、今では当たり前に行われているし、サイファさんと紫苑さんの努力もあるだろう。 そして再び、サイファ軍との同盟を結んだ。 サイファ軍では、「紫苑軍が同盟を求めてきた。だから、プレイヤキルをやめる事を条件に同盟してあげた。」と、皆には話したらしい。 サイファ軍の好感度はますます上がり、反省しているように見える紫苑軍も、だんだんと好感を持たれるようになっていた。 今回の作戦で一番特をしたのはサイファ軍だが、紫苑軍としても上々の結果だ。 そしてその効果が出るのは、まだまだこれからだ。 今プレイヤキルが流行りだしているのだから・・・ しかし、我々の思惑は、1日でうち砕かれる事になる。 クライアントの修正によって。 アライヴ「なんだよこれ・・・」 紫苑「最悪・・・(-_-メ)」 クライアントの重要告知に書いてあったのは、次のとおりだ。 「プレイヤズキルに対してのペナルティ及び、壊滅解散リスクの変更について。艦船撃沈以外で、敵大将以外のプレイヤズキルを行った場合のペナルティ新設。全国力マイナス5%。計算方法は、本来あるはずの国力を対象とする為、20回行えば、自動的に軍の壊滅を意味する。回復には5%1ヶ月を要する。軍の壊滅、及び解散を行った場合、その軍の少尉以上の階級の者は、国力が30万人規模以上で上位ベスト10の軍への入隊を3ヶ月禁止する。開始は本日より。修正バッチをあてないとゲームに参加できませんので、早急にお願いします。」 みんながプレイヤキルを行って、我が軍に人が流れてくるもくろみは、あっさりとたたれた。 それにしてもギリギリのタイミングだった。 後1日この告知が早ければ、サイファ軍との円満な同盟は難しかったかもしれない。 それでもなんとか間に合ったのだから、不幸中の幸いだ。 我々は最低限の勝利をつかんだのだ。 美夏「まあ、いんじゃね?それにやっぱりプレイヤズキルは、ドロドロになりかねないから、無くて正解だよ。」 てけとー「まあな。だけど今回の変更は、ダイユウサク軍の連中が、クライアントに進言したって話だぜ?あいつらゲーム業界に影響力大きいからな。あくまで噂だけど。」 まあそれが本当だとしても、今回の作戦で全く利益を得ていないダイユウサク軍だ。 それくらいは良いだろう。 紫陽花「それよりも、最低限の目的は達成できたわけだし、今後どうするかよね。」 アライヴ「確かに。一度軍をきちんと整えて、いよいよ侵攻開始ってね。」 じぇにぃ「わたしわぁせんとぉーできればぃぃー」 紫苑「その前に、俺に人材把握させて。(;_;)」 そういやそうだ。 俺は実際に倒してきた奴も多いから、どんなメンツが集まったか少しはわかるけど、紫苑さんにしてみれば知らない人ばかりだ。 それに俺だって、3割程度も把握していない。 話した感じで強そうな奴は何人かいたけど、どうしたものか。 紫苑「そこで、階級決めテストと称して、アライヴとじぇにぃには、テストバトルをみんなとしてもらいたい。」 アライヴ「みんなと?できない人も多いかも?」 紫苑「階級は、最後の評価に大きく影響するから、多少は無理しても集まるはず。だからよろ。」 アライヴ「わかった。」 じぇにぃ「ぅん。つよぃひとぉぃればぃぃなぁ」 てけとー「艦長候補はどうする?」 紫苑「俺と、紫陽花でテストするよ。」 スピードスター「♪」 こうして、俺達の階級決めテストと称した、模擬バトルは始まった。
昨日は15人ほどテストバトルの相手をしたが、我々基準で少尉以上になれる人はいなかった。 じぇにぃの方に、そこそこ使える人がいたらしいけど、それでも中尉クラスらしい。 ちなみに人数が増え、国力もかなり増えてきたので、俺の階級は今は少将、じぇにぃが准将だ。 てけとーさん、美夏さん、壁さんも准将に昇格で、初期からのメンバーと主要メンバーだけで将官クラスをやっている。 グループ通信メンバーもそうである。 できれば後何人か、このメンバーに入れたいのだけど、強くてはなせる人はなかなかいないものだ。 って、まだ1/3をテストしただけだから、今後に期待だ。 アライヴ「今あいてる人で、テストバトルしてない人いましたら、返事ください。」 回線につないでいるかそうでないかは、軍の通信回線を開けばわかるのだけど、回線をつないだままでいない人も多いから、こうして呼びかける必要がある。 レイズナー「あ、よろしく!」 アライヴ「はい、こちらこそ。」 レイズナーさんは、知っている。 と言っても、個人的にではなく、ファーストの頃は中将までいった人だから知っているだけだ。 でもそんなに強いと言える人ではなかった。 しかしそれはシミュレーション主体だった頃の話。 今はパイロットとして来ているから、もしかすると・・・ ・・・ 悪くは無かった。 無かったけど、期待はずれだった。 中将だったから、もっとやるかと思っていたけど、我が軍ではせいぜい少佐だな。 それでもこの人は貴重な戦力になるだろう。 ちょっと偉そうだけど。 レイズナー「君強いね。俺の軍にいてくれたら、中将にしてやったのに。(笑)」 いや、あんたの軍なんか絶対入らないし。 アライヴ「ありがとうございます。で、おそらく我が軍のとりあえずは大尉あたりになると思いますが、いいですか?」 レイズナー「そんなに低いの?俺前中将だったんだよ?」 訂正。 すっげぇ偉そう。 アライヴ「すみません。できるだけあげるよう大将には言いますけど、上の方は詰まってるので、今後の活躍次第になると思います。」 レイズナー「そうだな。活躍すればいいんだからな。君と同じ隊にしてくれよ。」 アライヴ「私は旗艦直属なので、それは無理かと。すみません。」 レイズナー「しかたねぇなぁ。自力で活躍するか。」 最初からそうしてくれ。 あなたにはなかなか難しいだろうけど。 アライヴ「それでは、今後ともよろしくです。」 レイズナー「はいはい~」 一生「ふぅ~。全くこういう勘違い野郎は駄目だな。完全に名前負けしてるし。」 レイズナーって言えば、なかなか評価の高いアニメだ。 俺でも知ってるし。 そんな名前つけるなよな。 レイズナーがかわいそうだよ。 さて、気をとりなおして、次いくか。 俺は軍全体に通信を入れる。 アライヴ「まだテストバトルしていない人いましたら、声かけてください。」 しばらく通信が無い。 まあ夕方とは言え、働いている人がなかなかゲームできる時間ではない。 いるのは多くが学校帰りの学生か、俺みたいなプーだ。 しばらくボーっと画面を眺める。 この時間はもういないかなぁ~。 そんな事を思って一旦墜ちようかと思った時、通信が入った。 チョビ「はいrはいあrlじゃ」 ・・・ チョビ「はい!お願いします!」 どうやらあわてていたようだ。 なんだかこれだけで、弱いってわかるんですけど。 まあでも一応テストしないとね。 アライヴ「はい。チョビさんですね。ではやりましょう。」 チョビ「よろしくお願いしますーー!!」 ドジっ子属性で、こんな時間からプレイしてるって事は、きっと中学生か、良くて高校生かな。 アライヴ「では、そちらは本気できてください。終了の時は、発光弾を飛ばすか、通信で伝えます。」 チョビ「はいです!!」 さて、軽くもんでやるか。 テストバトルがスタートした。 チョビさんの機体は、ごくスタンダードな機体だ。 っていうか、全くカスタマイズしてないんじゃないのってくらい、最初に与えられるデフォルト機のようだ。 これだけで、相手の強さはだいたいわかる。 きっとヘボだ。 そう思って不用意に操作していたら、いきなり正確なビームライフルの攻撃がとんできた。 一生「おっと!」 俺は一発目をうまくかわしたが、すぐに二発目がとんできて、それを左腕に少しかすらせてしまった。 一生「なんだぁ?」 弱いと予想していたのだけど、案外やるんじゃないか? 俺は真剣に動きを見た。 落ち着きの無い動きだけど、その分動きが読めないし、狙いをしぼれない。 一生「ちょこまかと!だからチョビか!」 俺はそれでも狙いをつけて、絶妙なタイミングでビーム砲で攻撃した。 あの機体でこのタイミング、そうそうかわせるもんじゃない。 って、盾か。 チョビさんは盾でビーム砲を受けた。 盾なんて重くなるだけだし、それに反応できるならかわす方が賢い。 なぜなら盾は有る意味消耗品だから。 しかし、なんだろうこの子・・・いや、歳も性別もわからんから一応この人と言っておこう。 今戦ってわかったけど、あの機体は完全に初期状態だ。 少し違うのが盾だけど、デフォルトよりも大きな盾だから、動きは更に遅くなっているだろう。 人型のコントロールもその分難しくなっているはずだ。 なのにこのうまさ。 そうだ、うまいんだ。 フェンネルは使ってないけど、俺はそれなりに本気で攻撃している。 なのに攻撃を当てる事もできない。 一方チョビさんは、一発とはいえ俺にビームライフルの攻撃をかすらせた。 もしこれがポイント制の戦いなら、有効をとられている状態だ。 なんとまあ、巧い人ってのは密かにいるものだ。 このテストバトルをしていなければ、もしかしたらこの子、いやこの人を完全にただの下っ端として使っていたかもしれない。 しかしもったいない。 もっと良い機体に乗っていれば、今頃すでにどこかの軍で、エースパイロットだったかもしれない。 でもだから、こうして今此処にいるわけで、凄くラッキーだったのでは? まあとにかく、もう少し戦ってみよう。 少なくとも負けてる状況で終わるのはあれだし。 俺は本気を出すことにした。 フェンネル展開。 さーて、これに対して、どういう戦いを見せる? なんて思った瞬間、チョビの盾から無数のビームが発射された。 一生「なんですとぉ!!拡散ビーム?しかも熱感知型だよ。」 俺の展開したフェンネルが、一瞬のうちに落とされた。 この子、いやこの人、俺の天敵じゃないか! 普通こんな盾を持つプレイヤなぞ存在しない。 冗談でやっているやつくらいだ。 でもこの子、いやこの人はマジでこの盾を使っている。 そして巧い。 フェンネル無しでこの子に勝つ? もうこの子でいいや。 きっと高校生だ。 女の子だ。 人型の性能はこっちが上だ。 勝って当然のはずだけど・・・ 俺は集中力を高めた。 結局テストバトルの制限時間10分、全てを使っても決着はつかなかった。 そしてこちらの攻撃で命中させたのが、ビーム砲1発と、意表をついた予備搭載のフェンネルの攻撃だけ。 こっちは何発当たっても不思議ではないくらいだったが、運良く最初にかすって以来、攻撃はくらわなかった。 でも少し何かが、他に気がいくような実戦だったら、俺は負けていたかもしれない。 この後チョビに、じぇにぃともテストバトルさせてみたら、あっさりじぇにぃに負けていた。 まあ初戦だったから、じぇにぃが強いのはわかるけど、相性ってのもあるのかもな。 あの盾も、じぇにぃの強力なライフルには、腕が盾を支えきれずにいたしね。 だからこそ、今後チョビには良い機体に乗ってもらおう。 きっともっと強くなる、そう確信した。 ちなみにチョビは小学生で、夜11時までしかプレイできないらしい。 そして日曜の昼間も、親に注意されてできないらしい。 全くもったいない。 この子が完全体だったら、我が軍の優勝確率が倍増だったのになぁ。
ほぼ全てのプレイヤのテストバトルが終わった。 俺がテストした中で一押しはもちろん、チョビ。 次がまあレイズナーさんって事になるんだけど、それよりは今後に期待って事で、ハルヒ君の方が俺は好きだ。 もちろんハルヒに君をつけているから、男なのだけど、最近ハルヒって名前の「男」が多いのは何故だろうか? アライヴ「そんな感じですね。他はどうですか?」 じぇにぃ「こっちはぁ、ひとりつぉぃひとぃたよぉ。わたしぃよりもよわぃけどぉ~」 人型パイロットで強い人は、俺も一応対戦させてもらった。 確かにじぇにぃがテストした、暗黒天国さんは強いんだけど、機体に金かけすぎってか、とにかく機体の性能でかなり強さを作ってる感じだ。 まあひとりくらいあれくらいの機体を動かす人がいても、そんなに負担にはならないけど、やられたら悲惨だよなぁ。 紫苑「こっちはひとり使える人いた。別の意味でもうひとりいるけど。(^ー^)」 アライヴ「へぇ、どんな人なんですか?」 気になる。 別の意味ってなんだろうか。 紫苑「名前がジーク。(笑)」 ・・・ 確かに。 紫苑さんなら、名前も利用して戦略を考えそうだ。 紫苑「では、階級と所属変更を発表します。」 おっ? 所属も変更があるのか。 そらそうだろうな。 紫苑「まず、レイズナーは大佐にして、重要拠点以外全ての場所をまかせます。」 なんと! あんな人にまかせるなんて、やばくね? 紫苑「任せるのは、先ほど名前が出た人以外全て。勝手にさせます。ああ見えて彼は慎重な人だ。勝算の無い戦いはしないし、負けてもいい場所しかまかせない。ようは俺が全部管理するのが面倒だから、最前線と重要拠点以外の面倒事を引き受けてもらう。」 確かに、今後領域が増えたら、一人で管理するにはしんどいだろうな。 そのあたりを任せて、戦闘に集中するって事か。 紫苑「一応、光合成中尉を補佐につける。最悪、光合成さんがなんとかしてくれるでしょう。」 光合成さんは、テスト初日にじぇにぃがテストした、そこそこ戦える人型乗りだ。 現状なら、ハルヒ君よりも強いんじゃないかな? 俺とじぇにぃのレベル感覚が同じなら。 紫苑「壁には今までどおり、呼び出しに応じられるように単機でコロコロコロニーに常駐してもらう。」 ほう、シオンまではもう敵はこれないという判断か。 今後本拠地はコロコロね。 紫苑「てきとーは、後で誰か欲しい人がいたら言ってくれ。階級の低い奴で育てたい奴ね。そしててきとーに動いてもらう。」 てきとー「はいよ。」 ほんと、てきとーさんって、適当なんだな。 紫苑「美夏は、いる時は今後旗艦に同乗してもらう。俺が出撃する事もでるだろうから。」 おお! 紫苑さんが、人型で? まあたまに出てたけど、本気で戦った事を見た事がない。 でもおそらくは強いんだろうな。 紫苑「で、旗艦には後、じぇにぃとハルヒが乗る。」 なんと!俺がはずされた? 今までじぇにぃとコンビを組んで来たのに、何故だ。 じぇにぃ「ぁれ?ァラィヴさんと、べつ?」 紫苑「ああ、今後はハルヒとコンビを組んで、ハルヒを鍛えてくれ。もしくは俺と組んでもらう。」 ハルヒを鍛える為に、じぇにぃと組むのはわかるけど、紫苑さんと? まあいままで戦い方を見てきて、紫苑さんが判断したんだから、おそらくはそれでいけるのだろう。 紫苑「ジークは、面白いから、今後いろいろ考えて使う。旗艦の名前はバルバロッサにしてもらって、ビジュアルも真似する。」 まあ当然だろうな。 紫苑「星には、暗黒天国を預ける。使えるだろ?(笑)」 スピードスター「♪」 なんだかわからんけど、星さんが巧く使えるようだ。 って、まだ俺の配属がわからんけど、残ってるのって。 紫苑「で、紫陽花のパープルフラワーに、アライヴとチョビだ。」 って、ええ!! 俺の天敵チョビと? フェンネルを使うと、チョビの拡散ビームが邪魔になるから、共闘はきついような。 紫苑「チョビは単機戦闘が得意そうだから共闘を覚えて欲しいし、アライヴは天敵を克服してほしい。(笑)」 なるほどねぇ。 戦闘の本番である敵、ジークやダイユウサクとの対戦は先になるだろう。 それまでに、もっと強くなれと、そういう事か。 望むところだ。 確かに最近じぇにぃとの共闘で、ぬるい戦いをしてきたから、いまいち成長してないんだよな。 こうして実戦での俺の特訓は始まった。 つーか、また子供のお守りですかぁ?
一生「くっ!」 どうしてもフェンネルを使ったら、あの盾が邪魔になる。 盾の設定を熱感知にしなければさほど邪魔にはならないけど、それだと敵を落とす事もできないし意味がない。 かといって、フェンネルを使わないなんて、俺の戦闘スタイルから反する。 どっちにしてもどちらかが戦い方を変えない限り、共闘は無理だ。 チョビに、何故拡散ビーム砲付きの盾を使っているのかと聞いたら、デフォルト機にこの盾しか持っていないからだそうだ。 それにこの盾は、親が誕生日プレゼントで買ってくれた商品についてきたアイテムらしい。 だからどうしても使いたいのだそうだ。 そういった愛着や愛情が、強さを作る事を俺は知っている。 俺のフェンネルもそうなのだから。 使う人が少ないフェンネルを、完全に使いこなせているのは、ひとえにフェンネルへの愛。 まあそんなわけだから、盾を自在に操れるように、左腕の強化や、盾を使っても有る程度動けるパワーアップを、軍の予算でやったわけだけど。 此処は俺がおれるしかないかもな。 そうするとして、この子と共闘するなら、どんな戦闘が一番合うだろう。 この盾をもっている限り、敵はフェンネルは使えないし、下手に近寄ってくる事も不可能だ。 接近が有るとするなら、拡散ビームを撃った直後のタイミングで近づいてくるだろう。 もしくは圧倒的スピードで後ろを取るかだけど、パワーアップしたチョビのガードナーの後ろはなかなかとれないはずだ。 でも背後がとれないような相手だったら、チョビには勝てないだろうし、俺はそれ以上に強い相手の事、つまり背後をとってくるような相手をフォローできれば良いのではないだろうか。 盾の攻撃範囲は、前方ほぼ180度であるわけだから、後方180度なら、俺のフェンネルも使えるじゃないか。 同じ敵を狙う、又は同じ敵を向いているから、今のフェンネルの設定では使えないんだ。 今は自分と敵の位置から、フェンネルをドーム型に配置している。 これを別の対象や形で配置すれば、うまくいくのでは? チョビと共闘する時は、ガードナーを対象に後ろに配置したいところだけど、それはできないから、俺の機体の向きで配置するか。 俺のメインモニタの隅を囲う形で、フェンネルを円状に配置する。 距離は俺の得意な間合いを少しずつ調整するとして、もし同じ敵を相手にする時は、モニタは後方カメラを使う事になるから、後方カメラの性能を少し上げる必要があるな。 いっそ前後全く同じカメラをつけて、切り替えられるようにするのはどうだろうか? 共闘は並んで、もしくは背中合わせで戦う事になる。 フェンネルの設定を後方にして、共闘ってのもあるな。 この場合、長距離攻撃の強化が必要になる。 この際だ。 キュベレイはあきらめて、SSかもしくは前に使えそうでキープしていた機体を、チョビとの共闘用に改造してみるか。 戦いながら、色々試しつつ、頭の中で新人型を創造していった。 なんとなくイメージはできあがった。 一生「よし!次回までにコレ作ってみるか。」 戦いながらメモした紙を見ながら、俺は久しぶりに強敵に立ち向かう時のわくわく感を味わっていた。 子供はみんな寝ている丑三つ時、俺は予算とキープしていた部品を駆使して、第三の人型作成に燃えていた。 ベースは前に拾って取っておいた、肩に羽根のようなものがついたタイプだ。 キュベレイ好きな俺にはやはりこの形があっている。 スピードもかなり出るし、瞬発力が半端じゃないから。 一瞬の動きが勝負を決めるのは、上級者では当然だ。 ほんの一瞬が勝敗を分ける戦いは、これまで何度かやってきた。 その全てで負けなかったのは、瞬発力のおかげ。 まあでも、瞬発力をおりこんだ戦い方をしているから、そういう結果になるとも言えるけど。 ドリームは、機体が瞬発力重視でなくても、自身の反射神経とコントローラーさばきで、この俺の瞬発力機を超えている。 瞬発力がなくても、先を読み正確な操作でそれを補うカズミン。 この二人に、俺は現状勝っているとは言えない。 ドリームに関しては、今日明日で能力で超える事はできないだろう。 だったら何で勝つか? バトルグリードでドリームに勝った人を調べてみたら、カズミン以外では、だいたいが初戦、そして同僚のダストだけが、戦いの中で多く勝っていた。 調べたら、ダストは奇策戦術に優れたプレイヤである事がわかっている。 一言で言えばアイデアだ。 ドリームより強くなるには、今はアイデアしかないだろう。 一生「できた。」 作成していた新型の人型ができあがった。 といってもプロトタイプだ。 まだ足の一部と、両腕の部品が足りない。 代わりに普通の両手両足だ。 実は新型機を作る為に、新パーツの開発を始めていた。 普通に考えて、さほど難しい開発ではない。 少しコストがかかるのと、どれだけパフォーマンスを下げないかってのが難しいだけ。 だからパフォーマンス無視のと、パフォーマンスを落とさないものの開発をしていた。 パフォーマンス無視のは、すぐにできあがるだろう。 俺は画面の機体を見て、少しわくわくした。 一生「よし!」 此処までやって、俺はパソコンの電源を落とした。
今日の戦闘に、開発は間に合わなかった。 だけど、試作機で試したところ、この方法ならそこそこやれる事がわかった。 チョビとの共闘は、お互いの背中をお互いで守るのが基本だが、俺はどちらかと言うとサポート。 フェンネルで狙うのは、背後にいるチョビと戦闘をおこなっている敵。 そして俺は後ろにいる敵に攻撃をするわけだ。 即ちチョビと戦闘している敵となるのだけど。 チョビの背後、即ち俺の前方に敵が現れた時だけ、俺はサポートを中断して目の前の敵に集中する。 後ろへの攻撃は、普通ならやりにくいが、前後同じカメラをつけ、切り替えて使う。 だから背後への攻撃も、実質前に攻撃するのと変わらない。 ただ、腕や足の規格から、攻撃の範囲が限定され、融通がきかない部分があり、それを補う為の新パーツ開発だ。 今のところそれができていないから、まだ本当の検証はできていない。 それでもこれだけやれるのだから、良い戦術と言わざるをえないだろう。 フェンネルを使って、チョビと共闘できているだけでも凄いのに、正直チョビに近づける敵はいない。 フェンネルで牽制して、チョビがしとめる。 チョビのライフルは、じぇにぃのライフルほど威力もないし、射程も短いけど、正確さは負けていない。 接近されそうになった場合の対応も早い分、ギリギリまでライフルで戦える。 そして最後には盾だ。 チョビだけでも接近できる敵は限られるのに、俺が完全に押さえれば、単機で俺達に勝てる敵はまずいないだろう。 ドリームでもカズミンでもやれる。 まあ2対1で粋がっても淋しいものがあるけど、勝てる算段があるだけでも良い。 後は戦略戦術でそういった場面を作れれば良いのだ。 じぇにぃもいるし、紫苑さんだってかなりやるはず。 サイファさんのところと組めれば、今日子さんにどちらか押さえて貰う事も可能。 どうやって勝てば良いのかわからなかったドリームやカズミンに、勝てる可能性が見えてきただけで、俺は俄然やる気がでてきた。 これはチョビのおかげだな。 チョビのおかげで俺の戦闘パターンが増えたし、やる気もでた。 俺の強さも絶対にあがる。 もしかしたらこうなる事を、紫苑さんは見越していたのだろうか。 そうなら流石紫苑さんだな。 改めて紫苑軍である事に喜びを感じだ。 チョビ「そろそろわたし寝ないとお母さんが…」 アライヴ「ああ、おけおけ。後は俺だけでもなんとかなるし。パープルフラワーに戻りな~」 チョビ「はーい!おやすみなさいー」 アライブ「おやすみ~」 さて、チョビの欠点はこれなんだよな。 良い戦いをしていても、11時前にはネットから墜ちなければならない。 まあこの程度の敵だったらなんとかなるけど、相手が強敵だったら致命傷になりかねないからな。 紫苑「そっちにじぇにぃ行かせようか?」 アライヴ「ああ、大丈夫です。楽勝でしょ。」 紫苑「大将そっちに行ってるけど。」 ・・・って。 一生「ええーーーー!!」 なんと、今日攻めている砦は、結構重要拠点だとは言え、大将自ら人型で出て守る所か? まあ、俺の常識に当てはめても仕方がない。 目の前には大将自ら出陣してきているのだ。 此処は俺と、敵大将の一騎打ちだ。 大将の名前は、「サクラ」か。 この名前は使ってる人が多いから、特定するにはIDを見ないとね。 見ると昔から知っている、しょぼくれプレイヤの「サクラ」だった。 なんだ、楽勝じゃん。 そう思ったのもつかの間、凄いスピードで後ろに回り込まれる。 一生「はやい!」 俺は全速前進、そして左に旋回。 紫苑「サクラは前のゲームでは糞プレイヤだったけど、アクション系はかなりの使い手だぞ~」 って、今更言われてもわかってしまってるんですけど~ そして今更助けてとも言えねぇ~ アライヴ「大丈夫です~」 俺はこれだけ送り返すので手一杯だった。 機体の能力だけなら、スピードはあちらに分がある。 俺はフェンネルの設定を変更した。 共闘用そのままでも、並の敵なら楽勝なんだけど、この敵はそう簡単ではなさそうだ。 コレでそう簡単には近寄ってこれまい。 しかし、気を抜くと簡単に背後を取られそうだ。 そんなに背後が取りたければ、取らせてあげようじゃないか! 俺はいつもの、逃げると見せかけてフェンネルで蜂の巣にする戦術を使う事にした。 敵を取り囲むフェンネルが、サクラを攻撃する。 一生「いまだ!」 その瞬間反転して全速前進。 これで後方のフェンネルも敵を攻撃する。 これだけの一斉攻撃、かわせまい。 まあ、これよりもひどい状況で、ドリームはかわしてきたけどね。 そんな事を思っていたら、サクラ機もこれだけの一斉攻撃をかわし、更にビームライフルで攻撃してきた。 一生「おい~」 マジかよ。 あれをかわすか? でも、何かかわしかたが引っかかるな。 ドーン! 一生「しまった!」 考え事をしていたら、足にビームを当てられてしまった。 足で良かった。 宇宙では大して影響は無い。 バランスが少し崩れるかもしれない程度だ。 一生「くそっ!もういっちょだ!」 かわし方が何か引っかかったので、俺はもう一度フェンネルでの攻撃を試みる。 不自然に思われないように、上手くフェンネルの射程の中に誘い込む。 そして素早く反転して、フェンネルの後ろへと逃げる。 今度はカメラを後ろのカメラに切り替えた。 しっかりと敵のかわし方を見る為に。 フェンネルの動きがすぐに止まり、一斉射撃。 一生「って、もしかして、フェンネルが通用しない?」 フェンネルの攻撃は、上手いタイミングでかわされ、更に攻撃もされる。 今度はカメラが切り替えられていたので、敵の攻撃は簡単にかわせた。 しかし、なんだろうか。 フェンネルが、もしかしてフェンネルの攻撃タイミングが読まれている? それにフェンネルの攻撃する瞬間、一瞬敵機の動きが止まったように見えた。 一生「キュベレイならフェンネル無しでもやれるのに!」 今俺が操縦しているのは、第3の機体、今開発途上の機体だ。 名前はまだ無い機体だが、機体の性能が落ちたら、俺はこれほどまで使えないのか? 否! 何かフェンネルを上手くかわす方法を、敵は持っているのだ。 それが分かれば、それを逆手にとれば、きっとやれるはず。 俺はもう一度、同じ作戦を使う事にする。 片足を失った機体が、少し悲鳴を上げている。 これだったら、もう片一方の足も必要ないな。 俺は、もう一方の足と、破壊されてほとんど残っていない足を、付け根から切り外した。 多少軽くなったが、足から出る推進力も失われるから、スピードは変わらないが、安定感は出た。 上手くフェンネルの射程内に誘い込み、反転前進。 フェンネルは一瞬俺の動きについて行こうとするが、すぐに動きを止めて、敵を一斉砲撃した。 今度も同じように、敵機は一瞬動きを止めたかと思うと、上手くフェンネルの射線を外して、そのままこちらに攻撃してきた。 一生「あっ!なるほどw」 俺は気がついた。 フェンネルは、攻撃する時、必ず一瞬動きを止める。 動きながら撃っても、狙いが安定しないからだ。 前にドリームが、全てのフェンネルの攻撃をかわせたのは、おそらく止まったフェンネルの射線を見極めてかわしていたのだろう。 そんな芸当は、普通の人間にはそうそうできるものではない。 俺でもおそらくは数機のフェンネルからの攻撃でできれば良い方だ。 それをこの大量のフェンネルでできる人が、何人もいるとは思えない。 さすれば答えは簡単だ。 チョビがいなくなってから出てきた事、大将ではなく、俺に戦いを挑んできた事、それはフェンネルに対して対策があったからだ。 おそらくフェンネルの止まった瞬間、射線を計算して、自動でその射線を外すようなシステムを開発でもしたのだろう。 ならば、それを逆手にとれば良い。 俺はそう断定すると、もう一度同じ事をやるように見せて、フェンネルの射程に敵を誘い込んだ。 敵は、何度やっても同じだよと言いたげに見える。 しかし、今回は少し違うぞ。 私は今までと同じように、反転して全速前進。 さて私の考えが正しければ・・・ 私はカメラを後ろに切り替え、チョビと共闘する時のように、後ろへの攻撃をする。 タイミングは、フェンネルの攻撃タイミングと同じ。 私の予想が正しければ、フェンネルの射線を外す事はするけど、その間、操作に自由はきかないはずだ。 フェンネルの射線上以外の攻撃は、避けないはず。 ドーン! 見事に、サクラ機に俺の攻撃が命中した。 一度的中してから後は楽だった。 混乱した敵は、敵では無かった。 私はサクラ機を戦闘不能までにして、そして更に完全破壊した。 大将だけは、それが許されいるし、それをする事が目的だから。 サクラ軍は、次に大将になるであろう人が、それを受け入れなかったので、壊滅する事となった。 しかし、今回の戦いは、思いの他苦戦した。 それは、今までの戦い方に慢心して、油断していたのが原因だろう。 俺は反省の意味も込めて、この機体に、テンダネスと名付けた。 それにしても、フェンネルだけをターゲットにするこんなシステムを開発する人もいるんだねぇ。 フェンネル使う人なんて、かなり少ないし、これだけ多く使う人なら、何十人もいないだろうに。
クライアントとは、依頼人や顧客の事なのだけど、何故ネットゲームやなんかでは、我々ではなくゲーム会社の方をクライアントと呼ぶのだろうか。 正確には、どうやらゲーム自体、アプリケーション自体をそう呼ぶところから、そのゲームやアプリケーションを提供している会社も、ひっくるめて呼んでいるからのようだ。 まあでも、ゲームをしている我々にとって、会社がどこかなんて問題では無く、ゲームの中で生きる者にとって大切なのは、その世界の中での出来事なのだ。 だからどうでもいいのだけど、ゲーム内では、パーツ開発の依頼をしてる俺こそがクライアントだよね、なんて思う今日この頃。 今日、先日開発を開始していたパーツに関して、クライアントから返事がきていた。 性能を落とさないようにと思って開発した物と、とにかく動くものと、2種開発していたわけだけど、どうやら先の方は失敗だったようだ。 蔵(クライアント)からのメッセージには、「アイデアが無い」旨が書かれていた。 まあ簡単にいえば、高い性能を求めるパーツ開発には、それなりのアイデアをって事だ。 アイデアが無いからまかしていたんだけど、どうやら甘い考えだったらしい。 そして、メッセージはもうひとつあった。 このパーツの意図が分かっているようで、それに関してだ。 俺の依頼したパーツは、関節である。 普通ひじは、まっすぐになってから、逆には曲がらない。 それを曲がるようにしたものだ。 そのパーツでやりたい事は、後ろも前も、同じように動ける人型を作る事。 それができれば、背後を取られるデメリットは完全に無くなるわけだ。 それは蔵のほうも分かっていて、それでこのメッセージだ。 蔵「前後を逆にして戦う場合、体にうけるGも逆になるが、ゲームではそれを考慮できず、経験値による制限をかける事にする。」 そういった内容だった。 ちなみにこのメッセージは、どうやらゲームシステム全てに関する事なので、全てのユーザーに伝えられているようだ。 もちろん、後ろ向きに戦う場合、コックピットも後ろ向きにできる方法があるなら、その制限はうけない。 で、元々人型には、倒した機体の数や、戦闘時間から、経験値とレベルがついている。 レベルが3以上になれば、それほど強さには関係がなくなるのだけど、レベル1の機体に乗る場合は、多少の制限がある。 初めて他人の自動車に乗ったら、なんだか乗りづらい、まあそう言う事だ。 そして、人型にメインカメラを複数つけた場合、カメラごとに経験値等が分散するシステムへと変わった。 ひとこで分かりやすく言うと、ひとりで持てる人型の数は、5機と決まっているが、今後は、メインカメラの数で管理するって事になるのかな。 メインカメラの無い機体が存在したら、それはそれで1機とカウントされるわけだけど。 もっと分かりやすく言うと、俺のテンダネスは、同じ機体でありながら、テンダネス表とテンダネス裏の2機もっている事になるって事だ。 しかしまあ、俺が依頼したパーツで、俺のアイデアでこれだけ蔵を動かしてしまったのが、ちょっと申し訳なかった。 まあなんにしても、一応関節パーツのひとつは完成していたのだから、とりあえず試してみる事にした。 パーツの付け替えは、ゲーム内のメカニックに依頼して、数時間を要した。 その間、俺は飯を食べて、風呂に入って、テレビを見ていた。 完成のメッセージが届くと、早速シミュレーション能力値を表示してみる。 一生「思ったよりきつー!」 パワーダウンどころか、パワーは半減しており、当然だけど、重い装備はできそうにない。 ビームライフルでも命中率が若干下がる。 一生「持ちかえはできないけど、内臓するしかないかぁ~」 ビームライフルだと、燃料分撃ち切っても、取り替えができて便利だ。 しかし腕に内蔵したタイプだと、取り替えもできないし、機体本体の燃料の消費も早くなるのが欠点だ。 利点はもちろん、軽量化できて、装備の持ちかえが必要無く、イニシアチブをとりやすい。 一生「今度はライフル持とうかと思ったけど、俺の宿命かな、」 そう、キュベレイは、ビームライフルが腕に内臓されている機体だ。 だから使い慣れていると言えば、使い慣れているし、コレで良いかと諦めた。 後の問題は、近接格闘系がかなり弱くなる事。 蹴りを入れてもダメージは少ないだろうし、攻撃を受けとめようとしたら、関節は壊れそうだし、そのままやられそうだ。 ひとつの利点が、多数の欠点を生む形か・・・ それでも、せっかくだから、俺はこのテンダネスを完成させようと燃えていた。 それ以降の戦闘は、極力テンダネスで出撃した。 しかも、後ろのメインカメラを使った、後ろ向きでの戦いだ。 といっても、チョビの後ろに隠れて、敵をコッソリ狙うんだけど。 一生「まだ射線がずれてやがるよ。」 こんな戦いを繰り返し、既に1週間。 レベルはようやく5まで上がったが、マイナス修正はまだまだ体感できるほど大きい。 チョビ「どうですかー?調子は?」 チョビが突然話かけてきた。 アライヴ「まずまずだな。もう少しなんだけど、後数日でなんとかなると思う。」 チョビ「そうですかー!ココまで強い人いなかったから良かったけど、そろそろ強い人きそうですよー」 アライヴ「そら、戦ってたら強い奴もいるだろうからな。」 何故チョビがいきなりこんな事を言い出したのか、分からなかったから適当に返事を返した。 そしたらまた、チョビから通信が入る。 チョビ「ほら。星さんが苦戦してますよ。」 アライヴ「マジか!」 どうやらチョビは、戦闘を行いつつも、他の状況も把握しているようだった。 俺は広角カメラでマップを広げ、星さんの戦闘空域を映し出す。 見ると確かに、星さんは苦戦しているようだった。 ってか、逃げ回っていた。 それを見た瞬間、紫苑さんから通信が入る。 紫苑「悪い。星の救援頼む。」 アライヴ「了解です。」 かなり状況は悪いようで、紫苑さんにも余裕は感じられず、それ以降紫苑さんからの返事は無かった。 チョビ「早く行きましょう。」 通信は、チョビにも送られていたようだ。 アライヴ「おけw」 俺たちはそれだけ通信をかわすと、星さんのいる空域へと向かおうとした。 しかしそれはすぐに阻止される。 目の前に、1機の人型が立ちふさがっていた。
宇宙の絆2は、少しずつ勢力が整理されつつあった。 宇宙では、拠点が1つしか無いような勢力は、じりじりと削られ、もう後数勢力しか残されていなかった。 そのうちのひとつが、今回の攻略ポイント、有人要塞イゼルローンだった。 まだ残っている勢力なので、そこそこの強さは予想していたが、拠点が1つであり、人型の数も限られているので、簡単に攻略できるものと思っていた。 油断していた。 ココまで残っている事に疑問を持つべきだった。 星さんは完全に押されているようだ。 紫苑さんのところも、じぇにぃと互角に戦う機体があらわれたらしい。 いや、むしろ押されていて、紫苑さん自身が、援護しているらしい。 そして俺の目の前にあらわれた機体は、何か迫力があった。 名前はサラで、階級が曹長。 人型名は、レッドストーン。 正直聞いた事はない。 しかし俺が軽く攻撃して抜けようとしても、全く隙は無かった。 突然通信が入った。 サラからだ。 受信しない事もできるが、俺は回線を開いた。 サラ「こんにちは。あなたね、夢ちゃんが言っていたのは。」 一瞬意味がわからなかった。 サラ「あ、夢ちゃんって、ドリームの事ね。」 一生「ええええ!!」 なんだ? このサラって人、ドリームとリアル友達か何かなのか? アライヴ「えっと、ドリームが何か言っていたのかな?」 サラ「ああ、ごめんごめん。あなたの事、なかなか強いって言っていたから、覚えていたのよね。」 アライヴ「ありがとう。」 よくわからないが、あのドリームが俺の事を強いと言っていたらしいから、少し嬉しかった。 サラ「でも、機体はキュベレイって聞いていたんだけど、今日は違うのね?」 いったいこの人は何が言いたいのか? 正直話してる場合でもないのだけど。 そんな空気を察したのか、チョビが星さんの救援に向かおうとする。 しかしサラのレッドストーンが、すぐにその行動を阻止する。 サラはなにやらチョビに通信を送ると、またこちらに通信してきた。 サラ「それがあなたのメインの機体なの?」 どうやら話さないとダメみたいなので、俺は話す事にする。 アライヴ「これはメインではないけど、今後メインにする予定だよ。」 サラ「あら、そう。なら、それなりの戦いはできるわね。おふたりお相手お願いするわ!」 なんだかわからないけど、とにかく戦闘再開らしい。 勝手だと思いつつも、俺とチョビは構えた。 サラ「では、いくわよw」 その通信を最後に、サラはこちらに攻撃を開始した。 一生「早!」 動きはやたら早かった。 どうやら標準スピードタイプの機体のようだ。 しかし、俺たちは二人だし、コンビであればドリームだって倒せる算段のあった戦いだ。 早く倒して星さんを助けないと。 チョビとの共闘で、初めてのマジ勝負だった。 その頃、星さんは追い詰められていた。 スピードは星さんが圧倒的有利なのだけど、敵の攻撃は強力で、少しでもかすると、そこそこのダメージを受ける。 おそらく星さんがココまで苦戦する戦いは初めてだろう。 なんせいつもならスピードで、最悪逃げるわけだけど、それすらも許さない攻撃の嵐が星さんを襲っていた。 少しずつダメージが蓄積される。 全てを把握している紫苑さんが、ハルヒ君を救援に向かわせていたが、じぇにぃと戦っている敵が、簡単には許さない。 この2機は強い。 なんとかハルヒ君が到着した時には、星さんの流星は、戦闘不能状態になっていた。 ハルヒ「紫苑さんダメです。星さんは既に戦闘不能です。」 紫苑「なんとか回収できない?」 そんな通信をしていると、流星を墜とした機体、サウスドラゴンは、今度はハルヒ君の機体、ウイングガンマに襲いかかった。 通信など、できる状況ではなくなった。 紫苑さんは、最後の手段か、自ら出撃した。 旗艦パープルアイズは、先日のテストで、唯一艦長として見出された、小麗に任せて。 流石に2対1になったら、敵のマイヒメは押され始めた。 そこに、ハルヒ君をあっさり倒してやってきた、サウスドラゴンがやってきた。 再び2対2で、戦況はこう着した。 こちらは2対1なのに苦戦だ。 ドリームでも倒せるはずだったが、それはあくまで俺が完全体であったならの話。 最近は温い戦いばかりしていたし、この機体はレベルを上げる為の出撃なので、手抜きチューンナップバリバリだ。 それでも勝たなければならない。 紫苑さんの方も苦戦してるし、このままでは全滅もあり得る。 もし俺たちが負ければ、このサラのレッドストーンはあちらに向かうだろう。 さすればおそらく撤退だ。 うまく撤退できれば良いが、失敗したら全滅。 今までで最大のピンチだ。 それにしてもこのサラ、強い。 チョビの戦い方を瞬時に見抜いたのか、正面からは接近してこない。 まああれだけのでかい盾、何かあるとは思うわな。 そして攻撃が正確だ。 こちらの攻撃タイミングに合わせて、うまく隙をついて攻撃してくるから、不用意に動けない。 1対1なら、チョビよりも上の敵。 それをサポートしたいのだけど、フェンネルの威力が発揮できる射程には入ってこないし、完全に俺は置き去りだ。 このままではこう着状態、一か八か、勝負をするしかない。 アライヴ「一か八か、勝負にでるから集中してくれ。返事はできないだろうから良い。」 俺はそれだけチョビに通信を送った。 こんなギリギリの戦闘中に通信ができる俺って、ホント役に立ってないな・・・ そんな事を思う中、俺は勝負に出た。 フェンネルの設定を、背後から背後ではなく、敵の向こうからこちらへの攻撃に切り替えた。 途端に、今までの位置から、フェンネルが高速で移動を開始した。 すぐに敵の背後へと到達する。 それをいち早く察知した敵は、好機と思ったか、それとも危ないと思ったか、フェンネルの攻撃を回避する為、こちらへと高速で向かってきた。 これで、ある意味いつもの俺の戦術だけど、こちらの機体のメインはチョビ。 フェンネルの攻撃を自分に受ける危険性は高い。 そんな中、敵はこちらに向かってくる。 普通ならピンチだけど、こちらには拡散ビーム砲を持った盾がある。 一生「今だ!」 俺はゲームの中へは聞こえない声を上げていた。 盾から拡散ビームが発射される。 これはそう簡単にはかわせないはず。 しかし、よく考えたら読まれていた戦術。 ギリギリのところでかわして、俺たちの背後へとまわってきた。 これが、1対1の戦いなら、完全に負けていた。 俺の機体が、ただのしょっぱい機体でも負けていた。 しかしおれの機体は、背後にメインカメラのついている、特殊な機体。 そして今までの戦い全てが、背後への攻撃。 俺は今日初めて、メインカメラを前方へと切り替えた。 今まで制限されていた枷も、全て外れた。 全く予想していなかったようで、レッドストーンが一瞬止まって見えた。 いや、本当にそう見えただけかもしれない。 ロックオンは早かった。 ピームを発射すると、すばやくビームソードを持って、斬りつけた。 この一撃が勝負を決めた。 チョビがライフルで仕留めて戦闘不能にした後、俺たちは紫苑さん達の救援に向かった。 紫苑さんは、マイヒメ相手にやや優勢に戦っているようだったが、じぇにぃがかなりやられていた。 もう10秒ももたないかもしれない状況。 俺たちはギリギリだった。 アライヴ「じぇにぃ、戻っていいぞ!」 俺はそれだけ言うと、今度はサウスドラゴンを相手にしようとした。 しかし結局戦闘にはならなかった。 紫苑「撤退する!」 紫苑さんの撤退命令だった。 確かにこのままやると、俺たちは全滅の危険もある。 だけど、星さんとかハルヒ君とか、どうするのか。 小麗「回収完了しました~w」 紫苑「御苦労(^-^)」 どうやらあの状況で、小麗さんが回収していたようだ。 なかなか凄い。 戦況が不利な中、艦船だけで敵の中を突っ切ったのか。 紫苑「皆先に行って。俺とパープルアイズなら、大丈夫だから。」 少し心配だが、紫苑さんなら大丈夫だろう。 それにパープルアイズは、超高速船だ。 撤退は、スムーズにいった。 どうやら敵も、そろそろきつい状況だったようで、追撃は無かった。 皆無事戻っては来れたが、今までで最大の敗戦だった。
イゼルローン攻略が失敗に終わり、皆で反省会をしていた。 ってか、ただの雑談だけど。 じぇにぃ「ぁぃつつよぃよぉ~wこっちがこぅげきしても、かぃひせずにむかってくるしぃ~むちゃくちゃだよぉ~」 じぇにぃの戦いは、フェンネルでけん制して、回避するところを狙い撃つ形だ。 それなのに、あのサウスドラゴンは、回避せずに突っ込んできたので、じぇにぃは完全に意表をつかれたようだ。 アライヴ「なるほどな。じぇにぃとは相性が悪い敵だったか。」 ハルヒ「それだけじゃないですよ。星さんも、僕も墜とされてますし。」 ハルヒ君の言うとおり、じぇにぃが墜とされそうだったのは相性だとしても、実際に敵の3機は強かった。 スピードスター「でもさ、敵の3機、名前どっかで見た事あるんだよね♪」 一生「え?」 星さんの言葉に、皆驚いているようだ。 紫苑「マジ?」 ハルヒ「僕はしらない。」 小麗「私も知りません。」 アライヴ「チョビは?」 紫陽花「チョビちゃんはもう落ちちゃったよ。」 そう言えば、チョビは撤退早々、11時を過ぎてたから落ちたんだった。 暗黒天国「折れは今来たばかりだからわからんが、聞いた事ない。」 しばらく沈黙が続いた。 が、突然じぇにぃが声を上げた。 ってか、チャットの文字だけどw じぇにぃ「わかった!!!ゴッドブレスのメンバーだ!!」 アライヴ「ゴッドブレス?」 俺には分からなかった。 しかし他の面子は、分かったようだ。 紫苑「なるほど。」 スピードスター「だな♪」 紫陽花「それは強いよ。」 ハルヒ「へぇ~あの人達が。」 皆納得といった感じだったが、そんなに強ければ、俺が知らないはず無いはずだけど。 強い人の名前は、掲示板などで出ているはずだ。 俺が疑問に思っていると、じぇにぃが説明してくれた。 じぇにぃ「ゴッドブレスはねぇ~バトルグリードでゆうめぃなひとたちだよぉ~。ドリームダストのらぃばるてきなかんじのぉ~」 なんと! ドリームダストのライバル的な人達? それならメチャメチャ強いんじゃね? それなのに、要塞1つで、ライバルな感じじゃないじゃん? 色々と疑問は湧いたが、考える間もなく会話は続く。 紫陽花「でも変ね?ゴッドブレスはダイユウサク軍に所属してるって聞いたんだけど。」 え?何それ?って事は、そのバトルグリードで強い人達は、こぞってダイユウサク軍に? ある意味それだと、バトルグリード連合軍対、宇宙の絆他連合軍の戦いみたいじゃないか。 スピードスター「しかしイゼルローンの大将は、聞いた事ない名前だったぞ♪」 そうそう、だからそんなに強い敵だとは思わなかったんだ。 紫苑「ダイユウサク軍の裏の軍だったのかもな。」 じぇにぃ「ぇぇ~!ぁそこはフェアプレーのぐんだとおもってぃたのにぃ~」 確かに、ダイユウサク軍が、勝つために他に軍を持って、工作するような軍には思えない。 その後も、工作軍だとか、実はライバルだから別の軍だとか、色々話してはみたけど、結論が出るわけもなかった。 話も落ち着いて、そろそろ寝ようかと思った時だった。 突然の報告だった。 イルマ軍解散。 先ほどまで、俺たちが戦っていた軍の、解散報告だった。
イルマ軍の解散報告があって直後、紫苑さん、紫陽花さん、星さんの上官3人は、仕事だとかでネットから落ちた。 でも、イルマ軍の解散が気になった俺や、じぇにぃ、ハルヒ君、小麗さん、暗黒天国さんは、しばらくチャットをしていた。 ハルヒ「解散って事は、どこかに負けたわけでもないし、どうしてだろう。」 暗黒天国「なんにしても、明日はイゼルローン争奪戦が起こるな。」 じぇにぃ「まぁ~たたかぇるなら、ゎたしはなんでもぃぃけどぉ~」 なるほど、皆が落とせずにいた有人要塞が空き家になったのだから、領土が接触している軍はもちろん、離れたところから、強行する軍もいるかもしれない。 しかし私はそんな事よりももっと気になる事があった。 それは、あれだけ強いパイロットが、軍を解散して何処に行くのだろうかって事だ。 やはりダイユウサク軍の人なのだったら、ダイユウサク軍に戻るだけなのだろうけど、どうも腑に落ちない。 みんなはチャットを続けていたが、俺はボーっと考えていた。 奇策で勝利したとはいえ、チョビの背後をあっさりとってきたレッドストーン。 星さんとハルヒ君を倒して、更にじぇにぃを追い詰めたサウスドラゴン。 やっぱり強かった紫苑さんに勝てなかったけど、おさえていたマイヒメ。 あの3機がダイユウサク軍に入ったら、今の俺たちには全く勝ち目が無さそうだ。 サイファ軍とおそらく共闘してあたる事になると思うが、それでも全然足りない。 ジーク軍と手を組む事も、検討しなければならないのか。 マクロ的な戦略戦術は俺は得意ではないし、紫苑さんにまかせるしかないけど、少し前までモチベーションが上昇していただけに、少しショックだ。 まだ、あの3機がダイユウサク軍に入るとは限らないし、ゴッドブレスは5人いると聞いている。 今回解散したイルマ大将は、どうやらそのメンバーでは無いらしいけど、そしたら後2人は何処に。 考えれば考えるほど眠れそうにないので、みんなが落ちた後も、俺はオンラインのまま、ディスプレイを眺めていた。 午前4時を過ぎた頃、俺はPCからの呼び出し音で目が覚めた。 どうやら寝オチしていたらしい。 チャット中だった画面は、みんなの「おやすみ」の文字が並んでいた。 そんなPCのディスプレイのスピーカーから、通信呼び出し音が鳴っていた。 どうやら誰かが、俺にアクセスを求めているようだ。 一生「いったい誰だよ・・・」 俺は通信相手を確認する事もせず、通信回線を開いた。 すると相手は、予想していなかった相手からだった。 サラ「こんばんは。先ほど戦闘した、元イルマ軍のサラです。」 なんと、あのゴッドプレスのメンバー、サラさんからだった。 アライヴ「こんばんは。えっと・・・どうかしましたか?」 俺は眠い頭を必死に覚醒させつつ、文字をタイプする。 サラ「ちょっとお願いがあるんですが、大将さんに通信したんだけど繋がらなくて、それで紫苑軍の一番の高官のアライヴさんにって事なんですが。」 ああ、そうか。 だいたい知らない人が、俺に通信っておかしいもんな。 大将に用があったのか。 でも、大将に用ってなんだろうか。 アライヴ「えっと、で、どういった要件ですか?」 一応言葉は柔らかく喋っているが、先ほどまで我が軍は、この人達にコテンパンにやられたのだ。 気持ちとしては、ちょっとムッとしてしまっていた。 サラ「単刀直入に言います。私と、後2人、昨日戦っていた2人ね、紫苑軍に入れてもらえないかな?」 一生「えええええ!!!」 俺は驚きで、深夜ってか早朝にも関わらず、部屋で大声を出してしまっていた。
早朝の事は、まだ夢のように感じていたが、ログを確認すると、確かに「サラ」「サウス」「おとめ」の志願の言葉が残されている。 理由を聞くと、ゴッドブレスは、元々ドリームダストを倒す事が目標で、ライバルなのだとか。 そして、ゲームでお金を稼いで、それで生活する事が目的のサークルでもあるらしい。 ゴッドブレスのうちの2人は、都合があってダイユウサク軍に所属している。 でもやはりライバルだから、残る3人は別の軍でやりたい。 ゴッドブレスとしても、ダイユウサク軍が勝てなかった時の保険も欲しい。 そこで、ダイユウサク軍以外で、優勝を狙える軍を探していたんだそうだ。 自分たちで強い軍を作る事も考えたが、このゲームの戦略面を一から勉強するには、時間が無いし、だったら強いところに入るのが一番だろうと言う事だ。 紫苑「でも、君たちがダイユウサク軍のスパイである可能性を、完全に否定できないんだけど。」 そうなんだ。 リアル友達が何人もいるダイユウサク軍に、こちらの情報をリークしない保証はどこにもない。 それにいざとなったら、やはり裏切る可能性は十分にある。 この人達が裏切る事で、報酬が貰えなくても、仲間は優勝して大金を手にするわけなのだから。 サラ「そのあたりは、信用してもらうしかないですね。こちらの情報は一切もらさないし、裏切りもしない。もちろん向こうの情報もこちらに入れる事はできないけど。」 さて、紫苑さんはどうするのだろうか。 この人達の強さは魅力だ。 この力があれば、ダイユウサク軍はもちろん、ジーク軍とだってかなりやれそうな気がする。 問題はスパイになりえるのか、そうでないのかだ。 俺としては、是非我が軍に入ってもらいたいと思っている。 紫苑さんも少し悩んでいるようだ。 メリットは、なんと言っても戦力が格段にあがる。 デメリットは、情報が漏れるリスクと、裏切り。 だけど、前にドリームと戦った時の感じ、そしてこれだけの有名人だ。 裏切るなんて行為は、このひとたちにとっても凄いリスクになりそうな気がする。 ゲームで生活しようとしているのに、悪い噂があると、今後勝ちにくくなるだろうし。 紫苑「向こうの情報を提供するとか言われたら、断ろうかと思っていたけど、どうやら信用できそうだ。よろしく!(^0^)/」 俺の期待通りの結論を、紫苑さんもだしてくれた。 少しの間(ま)は、きっと紫陽花さんと相談でもしていたのだろう。 サラ「ありがとうございます。階級に関しては何でもオッケーですが、できれば最前線を希望しますのでよろしくです。」 希望されなくても、これだけの人達を最前線で使わないなんて、もったいない。 一緒に戦うのが楽しみになってきた。 しかし、その望みは、しばらくは無いと告げられた。 紫苑「階級は、サラが大佐、おとめとサウスが少佐で、小麗の月天に乗ってもらう。そして旗艦とは別部隊を指揮し、今後頑張ってもらいたい。」 なんと! いきなりこのサラさんに、隊長を任せるとな。 確かにこのサラって人は、中々やりそうな気がするし、戦えば強い。 でもいきなりこの優遇。 紫苑さんも思い切ったものだ。 まあ1日1拠点で今まではやってきていて、このまま続ければ宇宙だけで10192日はかかる計算だ。 部隊を分けて、同時攻略はそろそろ必要かもしれない。 サラ「了解。小麗って、戦闘不能機を回収していた艦長かしら?」 紫苑「そそ。」 サラ「なるほど。期待に応えますよ。」 小麗さんの力は、昨日の戦いで確認できた。 艦船運用は、おそらく紫陽花さんクラスか、もしかしたらそれ以上。 我が軍でナンバーワンかもしれない。 そんな人の艦に乗せる事から、期待がうかがえる。 かなり、優勝できる可能性が見えてきた気がした。 紫苑さんの旗艦は、言わずもがな我が軍の主力だ。 紫陽花さんの艦は、俺とチョビがいて、かなりやれるだろうし、今後テンダネスのレベルが上がれば、もっともっと強くなる。 星さんのスピードスターは、昨日は暗黒天国さんがいなかったから力を出せなかったけど、戦局を一変する力があるらしい。 そして小麗さんの月天に、ゴッドブレスの3人。 この艦船が、今うちで最強になっているかも。 だから単独で別働隊。 少し悔しい気持ちもあるが、別働隊なのは、まだ完全に信用していないからかもしれない。 なんにしても、やる気はもうマックスだった。 一生「やる気マックスだったんだけど・・・」 俺は何故か、諜報活動で今はジーク軍の本拠地、コロニーのイスカンダルに来ている。 サラさんの提言で、一度全ての有人拠点で諜報活動をするべきだと言われた。 確かに、イルマ軍に負けたのは、どんな人がいるのか、どんな戦力なのか、しっかり知らなかったからだ。 敵を知り、己を知れば百戦危うからず。 自分たちの戦力はある程度理解はしているが、敵の事を全く知らなかった。 諜報活動は、ある程度は、一応やってはいた。 NPCに任せていたので、得られる情報は少なかったが。 でもそれではダメだ。 有人拠点なら、一般プレイヤなら、安全に諜報活動ができる。 民に交じって、情報屋から情報を聞くだけだから。 おそらくは、我々の拠点、シオンやカテーナにも、他の軍のプレイヤが出入りして、情報を集めていたりするのだろう。 要塞と、移動要塞、要塞戦艦での諜報活動は危険なので、それらでは行わないが、他を全て回る予定だ。 一生「いったいどれだけ時間がかかるのだか・・・」 俺は最初断りたかった。 しかしだ。 諜報活動で得る情報の信頼性は、キャラのレベルに比例しているらしく、キャラレベルの一番高い俺が行かざるを得なくなった。 一応相棒として、みゆきちゃんもついてきてくれる事になったのだけどね。 ちなみにみゆきちゃんは、最近まで休んでいたけど、最近復活した古くからのユーザーだ。 前作の宇宙の絆でも紫苑軍に所属し、そこそこ頑張っていた人。 アライヴ「みゆきちゃん、あの人に聞いてみようか。」 みゆき「もしかしたら情報屋っぽいもんねw」 街には、情報屋と言われる人が2種類存在する。 ひとつは、ノンプレ(蔵の人が操作しているNPC)で、俺たちのレベルによって情報をくれる、正規の情報屋だ。 もうひとつは、プレイヤの情報屋だ。 レベルの高いキャラは、この拠点の情報を売る事で、金儲けをしている。 中にはリアルマネーを要求する、ハイレベルな情報屋もいるが、そこまでして情報を集めるつもりはない。 敵戦力がある程度わかり、俺が納得できる程度集まれば、そこはそれでオッケーだ。 情報屋「情報が欲しいのかい?」 アライヴ「はい。教えていただけますか?」 「君のレベルだと、ココのAランク情報と、軍のBランク情報が、100000ドルだが、どうする?」 十万ドルか・・・ 情報内容をランクダウンすれば、おそらく半額以下になるのだろうけど、ココはジークの情報だ。 ケチってる場合じゃない。 それにこの金は、俺個人の金でもないからね。 ちなみに、十万ドルとは言うが、実際のドルの価値とは比べられない。 ただ、リアルマネーで買ったりしている人の相場を考えれば、200円程度から1000円くらいまで。 アライヴ「ではお願いします。」 俺は相手に、十万ドルを渡すプロセスを行う。 俺の持ち金が、その分減った。 情報を貰う時、相手がノンプレなら、先にお金を渡すのが決まりだ。 しかしプレイヤの情報屋には、詐欺にあう場合があるので、お金と情報ファイルの交換が原則だ。 今回はノンプレだったので、先に全額支払う。 情報屋「では、データを送る。確認してくれ。」 俺はデータベースを開いた。 するとそこには、この拠点のAランク情報の書かれたファイルと、ジーク軍のBランク情報があった。 アライヴ「確かに。」 情報屋「では、また何かあったら、聞いてくれ。」 情報屋はそう言って、街中へと消えていった。 さて、情報の内容を見てみるか。 とりあえず、先にファイルをコピーして、みゆきちゃんと紫苑さんに送っておく。 情報ファイルは、コピーする事はいくらでも可能だ。 それを、同じ軍の者に送る事も自由。 俺はファイルを開いた。 まずはこのイスカンダルのデータからだ。 生産性は中の下だか、戦闘の無い平和なコロニーで、最近の人口増加率は高い。 キャパが決まっているから、そろそろ上昇は止まるだろうが、ジークの評判も良い。 感じとしては、我が拠点のシオンとそっくりだ。 あらゆる面で似ていた。 場所も、丁度対角にあるので、当然と言えば当然か。 本拠地ではあるが、ココに駐留する艦船は0。 アライヴ「流石に、ココに艦船はいないか。」 みゆき「情報が筒抜けになるもんねぇ。」 こうして諜報活動をして初めて知ったが、自分の艦船を有人の拠点に置く事にはデメリットがある事を知った。 民のいる拠点に艦船をおいていると、自分の情報が筒抜けになっていたのだ。 ただ、民の出入りを規制したり、民との信頼関係を高くする事で、情報が漏れないようにする事は可能で、紫苑さんはおそらくそうしていたのだろう。 出入りを規制すると、生産性は半減するけど。 情報を守る事を優先するか、生産性を優先するかって事だ。 今ではシオンに駐留する艦船は0なので、出入りは自由にしていると思われる。 それに民との信頼関係も高いし。 さてこのファイル。 残る情報は、一度でもこのコロニーに出入りした艦船データだった。 「2時間前、ジーク、バルバロッサ、詳細情報無し。」 2時間前に、ジークがココに来たようだ。 詳細な情報が無いって事は、短時間だけの滞在、すなわち、設定変更だとか、研究の支持だとか、用があってきただけって事だろう。 ずっと滞在する時間によって、情報量は多くなるようだから。 後は、民との信頼関係も関係する。 戦闘の無い平和な場所の民は、みんなジークの味方であるから、なかなか情報は出てこないって事だ。 他の情報は、見ない名前が何人かいたが、細かいデータは無く、特に思うところは無かった。 情報の最後の方には、四天王の群青さんの名前もあったが、データは3カ月ほど前の物だった。 意外にも、その頃の詳細なデータが書かれていた。 流石に、レベルも高いし、撃墜数も多い。 今の俺よりも少ないが、これは3カ月前のデータだ。 3カ月前の俺と比べてどうだろうか。 ふと気がついた。 群青さんも、今は俺のライバルなのだなぁ~と。 では次に軍のデータだ。 こっちの方が興味ある。 軍のBランクデータとなると、かなり詳細に書かれている。 俺のレベルが高いから得られる情報だ。 さて、どんなものか・・・ 俺は愕然とした。 みゆき「ジーク軍、凄い数だねぇ~」 アライヴ「ああ。」 そうなのだ。 俺たちが必死になって、ようやく40人弱のプレイヤを集めたのに、ジーク軍はすでに200人を超えていた。 しかも、この情報はBランクで、完璧ではない。 おそらく予想するに、300人はいるだろう。 アクティブでないプレイヤも多そうだけど、やはり最大の敵はジークか。 そう思った。
諜報活動も終盤にきていた。 宇宙は全て終わり、今は地球にきている。 民間機で、1つずつ移動して調べていくわけだけど、地球上は生産性が高いから、勢力が混在していて、民間機で入国できる街は少なかった。 アライヴ「次は、アクアか。」 みゆき「ココは海底都市だね。」 みゆきちゃんに言われて、こんな街もあるのかと、初めて知った。 どうやら基地も街も海底にあるらしい。 これは行くのが楽しみだ。 しかし、それはすぐにできないと分かる。 みゆき「アクア行きの便がないね。」 どうやら、入国規制が行われているようだ。 この街は特殊だから、どうしても行ってみたかったが、規制されていては、入るのは難しい。 普通なら、多少の危険で潜入する事も可能だが、ココは海底、多少ではすまされず、むしろ俺のレベルでさえ、成功確率0%だった。 アライヴ「残念。どんな場所か見てみたかったけど。」 みゆき「うん。」 それにしても、アクアを落とすにはどうすれば良いのだろうか。 当然の疑問がわいた。 アライヴ「それにしてもココって、どうやって落とすんだろうね。」 みゆきちゃんが知ってるとは思えないけど、なんとなく聞いてみた。 みゆき「ココは水中戦オンリーだって聞いた事あるよ。他にも8割水中だとかって都市も、あるらしいし。」 なんと! 水中戦かぁ~ アライヴ「って事は、水中用人型とか、あるのかな?」 みゆき「あるらしいよ。パーツは地球でしか売っていないみたいよ。」 なるほど。 どおりで知らなかったわけだ。 俺は宇宙でしか買い物をしていないし、そもそも地球に来たのは初めてだ。 コレは早めに地球への侵攻も考えた方が良いかもしれない。 地球を1つの勢力が占めたら、地球への侵攻がかなり厳しくなる事もあり得る、そう思った。 さて、仕方が無いので、次の街へと行くことにする。 マップは実在する世界地図に似ているが、名前はユーザーが決めているので、それがなんだか面白い。 日本はそれ自体で1つのマップで、拠点の名前が「大阪」。 おそらく大阪人が、最初にココをゲットしたと思われる。 地球マップでNo1の生産性を誇る拠点に、大阪ってとか思うけど、まあ仕方なし。 とりあえず俺たちは、大阪行きの便に搭乗した。 リアル時間で10分ほどで目的地についた。 なんとなくだけど、地球に侵攻する時は、最初にココが欲しいなぁ~なんて思った。 俺たちは街を歩いた。 情報屋探しだ。 流石に生産性No1の街だ。 マップも広くて人も多い。 水中戦用アイテムを買って帰りたいとも思ったが、アイテムは中立の拠点と、自軍の拠点以外では買えない。 なんせ持って帰れないからね。 ただ、ゲームに関係ない装飾品、キャラの服だとか、アクセだとか、そう言ったものは、街によって発売されている物が違ったりするし、持って帰れる。 せっかくだし、そちらでも買ってかえろうか。 そう思って、みゆきちゃんに声をかけた。 アライヴ「せっかくこんなでかい街にきたんだから、何か買って帰ろうか。ホントはパーツとか、水中戦闘に役立つ物が欲しいけど、無理だからアクセとか服とか。」 みゆき「そうだねぇ~地球産の服、みんなに見せて自慢するかぁ~」 アライヴ「よし!ではあのオレンジの看板の店から行こう。」 みゆき「おけw」 そんな会話を交わしてから、俺たちは店に歩いて行った。 そんな時、友軍の美夏さんが、突然会話に入ってきた。 美夏「やっほー!水中戦用パーツが欲しいのか?」 街での会話には、数種類の設定が可能だ。 1対1、グループ、友軍、一般だ。 1対1は、文字通り、1対1で会話して、そこに他の人が入ってくる余地はない。 グループは、あらかじめ決めた人だけで会話する設定。 友軍は、同じ軍なら同じ街にいれば会話できる。 一般は、街の中で見えている人全てとの会話である。 だから今も、一般で話している人の会話は、こちらに入ってきていて、みゆきちゃんとは、友軍で話をしていた。 そこに偶々友軍の美夏さんがいたから、会話に入ってきたってわけだ。 アライブ「こんにちは。どうしてこんなところに、って、パーツ欲しいのですが。」 驚きと、疑問と、希望を全部、打ち込んだ。 美夏「みゆきちゃんもちわ!」 みゆき「こんにちは。」 美夏「ちょっと暇だったから、地球旅行に来ていただけだよ。って、お前らはどうしてココに?」 美夏さんは最近忙しかったのか、あまりゲームしていなかったようで、話を聞いていなかったようだ。 アライヴ「今、俺とみゆきちゃんで、情報集めしてるんですよ。で、今はココにきてるわけです。」 美夏「なるほど。で、さっきパーツが欲しいとか言ってたよね。」 アライヴ「ええ。地球専用のアイテムがあるとか聞いたから、今から試しておきたくて。それに地球を攻める時に、有った方が良いだろうし。」 美夏さんが、なんとなく手に入れる方法を知ってそうだったので、俺は期待した。 美夏「既存のアイテムと、ジャンク屋経由だと、地球専用パーツは地球で、宇宙専用パーツは、宇宙でしか手に入れられないよな。」 アライヴ「ええ。」 美夏「宇宙には中立要塞が8か所あって、そっちは誰でも手に入れられるけど、地球用のパーツは、地球に軍を持っている人しか手に入れられない。」 アライヴ「ですね。」 美夏「だけど、軍を解散した時等に、一時的に中立になったりした場所では皆買えるし、元々地球にいた軍に所属していた奴なら、パーツを持っているわけだ。」 ココまで聞いて、なるほどと思った。 地球にある軍に所属している人が、宇宙にある軍所属の人にパーツを売る事は少ないだろう。 何故ならそれは敵に塩を送る行為だから。 しかし既に軍に所属していない人なら、売る事もあり得るし、一時的に中立なった時に買い占めて、売って儲けようって考える人がいるって事か。 美夏「更に、パーツを売る事を目的に、軍を持っている奴らもいるんだ。」 アライヴ「そんな人もいるんだぁ!」 少し驚きだ。 ゲームとは関係なく、金儲けを目的として参加している人がいる事は知ってるけど、まさかそこまでやっているとはねぇ~ 美夏「受け渡しは、宇宙の中立拠点のどこかだな。」 なるほどねぇ~ ココまで艦船で来る事はできない。 何故なら非戦闘タイムとは言え、ココは敵の拠点だから。 今俺たちは、民間機で一般人として移動している。 でも、自分の拠点以外で、自分の艦船を移動、入港させる事ができる場所がある。 それが中立要塞8つだ。 それは地球の周りにあり、非戦闘タイムなら、敵空域も自由に航行できる。 もちろん、敵要塞には入れはしないけど。 とにかく、地球には、地球戦用パーツを持っている人が多くいて、その人達から購入できるよう直接中立要塞で取引するって事だ。 美夏「地球用パーツを売ってる軍から買うと、リアルマネーでかなりぼられるから、なるべくもういらないって人から買うのがベストだな。」 アライヴ「リアルマネーってどれくらい?」 リアルマネーでも、俺もそこそこ稼がせて貰っているから、多少なら出しても良い。 美夏「そうだな。安くて人型1機で10万円くらいだな。」 ・・・ アライヴ「それは高すぎ。笑」 まあそういうわけで、俺は諦める事にした。 水中戦かぁ~ キュベレイでもなんとかなると信じよう。 その後俺たちは、3人で買い物をして、ついでに情報収集もした。 違った。 ついでは買い物ね。
さて、今日で諜報活動は最後となった。 最後に来たのは、地球のマップ、1-1にある、氷島。 金でパーツを売る軍、トルネコ軍の本拠地だ。 ここでの情報収集は既に行っている。 流石に金持ち軍、人も多く、装備などのクオリティも高い。 ここしか拠点は持っていないが、そう簡単に落とせるような戦力ではなかった。 噂だが、ジークがかなり出資しているとか、アイテムを買いあさっているとか、そんな話も先ほど聞いた。 それでなくても、他にも買いに来る人はいるのだろう。 俺も、もう少し安ければ、買っていたのだろう。 しかし、そこまでリアルマネーをつぎ込んで勝っても、あまり嬉しくない、そう言い聞かせて諦めていた。 アライヴ「さて、そろそろ帰るか。」 みゆき「やっと終わったねぇ~長かったねぇ~」 確かに長かった。 諜報活動は、俺とみゆきちゃんの都合があう、全ての時間行ってきた。 それで約3カ月もかかってしまったのだ。 だから俺自身、戦闘はあまり行っていない。 テンダネスの裏バージョンで、違和感なく動かせるレベルになった事以外は、特に何もなかった。 ただ、紫苑軍としては、イゼルローンを手にして、その後も順調に勢力をのばしていた。 ちなみに、イゼルローンは、最初攻め込まなかった。 予想通り、いくつかの勢力が侵攻して、つぶしあっていたから。 そして全てが疲弊したところを、軽く奪ったようだ。 内情をよく知るサラさんにも協力してもらって、すぐに鉄壁の要塞への設定をした。 今ではこのイゼルローンが、最前線基地だ。 俺とみゆきちゃんは、スペースポートへと向かって歩き出した。 コレがリアルなら、ちょっとしたデートをした3カ月だったのだろう。 ゲーム内とはいえ、結構長く一緒にいたせいか、みゆきちゃんなら実際リアル世界であっても、話とか普通にできそうだ。 歳は確か18歳だったと記憶している。 いつか会えたらいいなぁ~なんて、心の中で考えていた。 そんな事を考えながら歩いていたら、突然、一般チャットで話しかけてきた人がいた。 「あっ!アライヴさん。お久しぶり~」、 街中にいる人と、誰とでも話せるシステム。 俺を名指しはしていたが、誰もがその喋りを受信している。 相手は、ドリームダストのドリームさんと一目でわかった。 なんせ取り巻きがぞろぞろいて、「夢さん誰ですか?」「夢さんのお友達ですか?」なんて言葉が、俺のチャットログを一気に増やしたから。 ドリーム「みんなごめん。ちょっと彼と話したいから…」 ドリームさんが取り巻きにそう言うと、皆快く席をはずして行った。 ドリームファンの人たちは、きっと本当にドリームの夢さんのファンなのだろう。 そう思った。 取り巻きがいなくなると、すぐにドリームから、グループチャット登録の要求がきた。 これに応じれば、グループチャットを了承し、グループチャットができるようになる。 俺は迷う事なく、応じた。 ドリーム「そちらのみゆきさんも、お仲間さんだよね?」 アライヴ「あっ、うん。そうですよ。」 俺が返事をするやいなや、みゆきちゃんもグループチャットのグループに登録されていた。 相変わらず操作早!とか思った。 アライヴ「こちらは、同じシオン軍所属の、癒し系担当のみゆきちゃんですw」 俺はすぐに、ドリームさんに対して、みゆきちゃんを紹介した。 まあ、みゆきちゃんは、ドリームの名前くらいは知っているので、紹介はいらないだろう。 なんせ相手は有名人だからね。 みゆき「はじめまして。みゆきです。よろしくです。」 問題はなさそうだ。 ドリーム「ダイユウサク軍のドリームです。みゆきさんは、アライヴさんの彼女ですか?仲良さそうに歩いてたから、デートかとw」 ドリームからの返事は早く、普通に喋る速度と全くかわらない。 って、そうじゃなくて、今なんかドリームさん、とんでもな事を言ったような。 じっくりチャットの文字をもう一度読んでいると、みゆきちゃんが返事を返していた。 みゆき「ええ、そうなんです♪(笑)」 えええ!!! 俺は普通に驚いたが、まあ最後の(笑)が、冗談だと表現していたので、ココはスルーする事にした。 アライヴ「ところでドリームさんは、こんなところでどうしたんですか?」 ドリーム「あ、夢で良いよ。それに、前はもっと普通に話してたのに、今日は敬語になってるよ。」 あっ!ホントだ。 人型に乗ってる時は、俺も結構強気だから、タメ口で喋っていたように思うけど、実際会うと、なんか気後れするっていうか、オーラがあるって言うか。 いや、実際年上だろうし、実際に会ってるわけでもないんだけど。 アライヴ「ホントだwじゃあ夢さんで。」 ドリーム「みゆきさんも、夢ちゃんって呼んでねw」 みゆき「あっ!はい。」 夢さんは、結構気さくな人のようだ。 ドリーム「で、この街にいる理由なんて、きっとアライヴさん達と同じだと思うよ。」 なるほど。 ダイユウサク軍も、しっかりと諜報活動してるって事か。 アライヴ「諜報活動かぁ。」 ドリーム「えっ?違うよ?あれ?あってるのかな?地球用パーツの情報収集だけど?」 アライヴ「え?パーツの情報?俺たちは普通に諜報活動だけど。」 パーツの情報集中? パーツは買う事もできないし、買えないからその情報も収集はできない。 だから実際にどんなパーツがあるのか、俺は全く知らない。 どうやって・・・ みゆき「地球用パーツって、見る事できないよね。どうやってみるんだろう。」 俺の疑問をみゆきちゃんが代弁してくれた。 ドリーム「そっか。まあ見る方法ってわけじゃないけど、ココはパーツ屋やってるトルネコ軍の拠点だから、それで来てるのかと。」 もしかして、夢さんは、パーツを買いに来た? でもパーツの受け渡しは、宇宙に上がって、そこでの取引になるから・・・ アライヴ「パーツを買いに来たと言って、アイテムの情報だけ画像データで見せてもらっていた?」 ドリーム「当たり~」 このゲームを行うにあたり、あらゆる場面、あらゆる状態を、画像データで保存することができる。 規定により、このサイト外でそれをアップする事は禁止されているが、ゲーム内で見せてはいけない規定はない。 まあアイテムを売ろうとしてるのに、カタログの役割を果たす物をもっているのも当然か。 しかしだ。 パーツデータを見せてもらったところで、多少何かしらの対応ができる事はあるかもしれないが、手に入れられないのでは、あまり意味が無いように思えた。 アライヴ「でもやっぱり、情報だけだとあまりメリットはなさそうだけど。」 この夢さんが、そんな理由だけで情報を集めているとは思えなかったので、少し疑問を言ってみた。 ドリーム「情報があれば、それと同じ物を研究で生産できるようにする事は簡単だって事だよ。」 ああ、なるほど。 研究は、基本アイデアを出して、色々試行錯誤してひとつのパーツを作り上げる。 しかしもし、最初から既存のパーツの情報をえていれば、それをそのままコピーするだけで済むって事か。 設計図を手に入れて、後はそのとおり組み立てるだけ、感覚としてはそんな感じだ。 流石というか、こうして色々な人と話をしたりしていると、みんな俺の知らない事を知っていて、勉強になるな。 たかがゲームだけど、大きな賞金の動くマネーゲームだ。 もっと勉強する必要があるなと思った。 でもまあ、軍に関しては、紫苑さんに任せておけば、おそらく大丈夫だろうけど。 それからもしばらく話していたが、みゆきちゃんに促され、俺たちは別れた。 さて、諜報活動も終わった。 今晩からは、また戦闘一筋だ。 俺のモチベーションは上昇しまくりだった。 Ver3.10占い診断ギャグサイト-
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